フィギュアスケート世界選手権(埼玉)プレビュー
2019年03月19日
3月20日からさいたまスーパーアリーナで、フィギュアスケート2019年世界選手権が開催される。
平昌オリンピックチャンピオン、羽生結弦が本大会で4カ月ぶりに試合に復帰してくる。11月のロステレコム杯(ロシア杯)の公式練習中、右足首の古傷を傷めた羽生。以来GP(グランプリ)ファイナル、全日本選手権と欠場して、公の場所にはいっさい顔を見せていない。
だがコーチのブライアン・オーサーは米国テレビ局NBCスポーツの取材に答えて、「大丈夫。日本の試合に向けて集中している」と簡潔にコメントした。
およそ1年前の平昌オリンピックでも、まったく同じような状況で大会本番に登場し、フィギュア男子史上66年ぶりとなった五輪2連覇を成し遂げた。今回もそのスーパーマンぶりを見せてくれるのだろうか。
その羽生の3度目のタイトルの前に立ちはだかるのは、全日本チャンピオン宇野昌磨と、全米チャンピオンで世界選手権タイトル保持者として出場するアメリカのネイサン・チェンである。
宇野は2月に米カリフォルニア州のアナハイムで開催された2019年四大陸選手権でタイトルを手にしたとき、「世界選手権では優勝を狙いたい」と珍しくはっきり意思表示をした。全日本選手権の練習中に傷めた右足首をかばいながら、どこまで調整をしてこられたのかが焦点になる。
一方、ネイサン・チェンは、昨年の秋にフルタイムの学生としてアメリカのアイビーリーグ、エール大学に入学。カリフォルニアにいるラファエル・アルトゥニアンコーチと連絡を取りながら、リンクで基本的に自主トレを重ねてきた。
その状況で1月の全米選手権では、驚異的な演技を滑りきってISU(国際スケート連盟)非公認ではあるものの、総合342.22というとてつもないスコアを出した。もっとも、長期的には彼がこの先、学業と競技をどこまで両立させていけるのか、まだ未知数である。
三者三様の事情を抱えている中で、王者の座を手にするのは誰だろうか。
彼らのうちの誰かが崩れるような事態になれば、ボーヤン・ジン(中国)、ヴィンセント・ジョー(アメリカ)、チャ・ジュンファン(韓国)、ミハイル・コリアダ(ロシア)らが控えている。サプライズもあるかもしれない男子だ。
一方女子だが、日本チームはここ数年の間で最強の顔ぶれが揃った。
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