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国際感覚の欠如を見せた竹田JOC会長の辞任劇

「違法性なし」前提の報告書、質疑なしの7分会見の末に潮目を読み違えて

増島みどり スポーツライター

オリンピック運動の価値を損ねた報告書と7分会見

 竹田氏の嫌疑、贈賄のそもそもの始まりは2016年5月に遡る。

 フランス司法当局は、国内に銀行口座を複数持つ国際陸連のディアク元会長と息子パパマッサタ・ディアク氏が、ロシアのドーピングに関し、これを見逃すための賄賂を受け取っていたとの疑惑の捜査を開始。口座がマネーロンダリングに使用されたとして、徹底的に捜査した際、その入金記録に、2020東京五輪招致委員会から招致活動のさなかだった2013年に、息子と深い関係を持つシンガポールのコンサルタント会社の口座に130万ユーロ(約2億3000万円)が振り込まれている事実を確認した。

 招致活動の票集めのための買収にあたる、とするフランス捜査当局に対し、招致委員会の理事長だった竹田氏は送金を認めたが「(招致活動の)正当なコンサル料だ」と、わいろ性を否定。このとき潔白を証明するとして、第三者による外部調査委員会を立ち上げて報告書を作成している。

 最初のミスはこの報告書だった。分厚いが、シンガポールの会社、当事者への聞き取りや詳細なファクトチェックはされておらず、「招致委員会とコンサルタント会社の契約に違法性はなく、IOCの倫理規定には何ら違反しない」と結論付けた。

 しかし、当時この調査会見を取材した記者の間からは「これでは何も明らかになっておらず、竹田さんの主張に沿ったものではないか」といった質問が複数出ている。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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