メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

大石芳野が撮る、声なき人々の終わりなき戦争・下

アジア・太平洋戦争の残像/大石芳野写真展「戦禍の記憶」が開幕

徳山喜雄 ジャーナリスト、立正大学教授(ジャーナリズム論、写真論)

住民を巻き込んだ非人間的な沖縄戦

 沖縄の取材を本土復帰後の1972年から今日まで息長くつづけている。狭い沖縄に日本全土の7割以上の米軍基地が集中。米軍普天間飛行場の名護市辺野古沖への移転計画をめぐり、推進派と反対派の対立が激化する。「終わっていない戦争がまだ随所に残っているだろうけれど、その最大が沖縄だろうか。沖縄にはまさに現在進行形で激しかった沖縄戦の影が色濃く残っています」。

壕のなかで亡くなった妹の頭蓋骨を発見。涙を流す崎山キク(沖縄・伊江島、1984年)©Yoshino Oishi拡大壕のなかで亡くなった妹の頭蓋骨を発見。涙を流す崎山キク(沖縄・伊江島、1984年)©Yoshino Oishi

 太平洋戦争末期の沖縄戦で、住民を含む4人に1人が死亡したとされる。老女が泣きじゃくりながら頭蓋骨(ずがいこつ)を撫(な)でまわす。こんな衝撃的な光景を撮った1枚がある。崎山キク(1918年生)は、飛行場をめぐって大規模な戦闘があった伊江島で壕に潜んでいたが、姉妹と弟、いとこたち6人を失った。

 それから39年後のことだ。

・・・ログインして読む
(残り:約953文字/本文:約3453文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

徳山喜雄

徳山喜雄(とくやま・よしお) ジャーナリスト、立正大学教授(ジャーナリズム論、写真論)

1958年大阪生まれ、関西大学法学部卒業。84年朝日新聞入社。写真部次長、アエラ・フォト・ディレクター、ジャーナリスト学校主任研究員などを経て、2016年に退社。新聞社時代は、ベルリンの壁崩壊など一連の東欧革命やソ連邦解体、中国、北朝鮮など共産圏の取材が多かった。著書に『新聞の嘘を見抜く』(平凡社)、『「朝日新聞」問題』『安倍官邸と新聞』(いずれも集英社)、『原爆と写真』(御茶の水書房)、共著に『新聞と戦争』(朝日新聞出版)など。

徳山喜雄の記事

もっと見る