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プロ転向の川内優輝、市民ランナー原点に新たな道

新看板は「百戦錬磨のプロランナー」

増島みどり スポーツライター

五輪前年なのに「オリンピック」の言葉は一度も出ず

拡大ボストン・マラソンに向けて意気込みを語った川内優輝(右)と井上大仁=4月10日、成田空港

 学習院大で初めて箱根駅伝に出場し、09年には6区山下りで区間3位に入り、そこから指導者を持たず、本人が言う「誰とも違う個性的なでこぼこ道」を走り続けてきた。2日の会見でもっとも個性的だったのは、一度も「オリンピック」という単語が出なかった光景だ。

 アシックスは来年2020年東京オリンピック・パラリンピックのトップスポンサーとして国内外のアスリートの支援をもっとも活発に行っている。川内は、9月に初めての試みとして行われるマラソンの選考一本化レース「MGC=マラソングランドチャンピオンシップ」の出場権も獲得している。

 プロランナーの立場ならば、五輪出場が契約の更新にもつながる大きな意義を持った大会として位置付けられている。しかしスポンサー、プロ転向と揃っていたはずの2日、「オリンピック」は一度も登場しなかった。アシックスは「これまで通り、市民大会にも出場し、市民ランナーの目標として色々なところで走って頂きたい」と意志を尊重。川内は「(中東の)ドーハで行われる世界陸上の代表になって是非走りたい」と、五輪出場権がかかる9月のMGCを回避する意向を早くから明らかにし、酷暑の同地のため初めて行われる事態となった「深夜マラソン」(男子は10月5日23時59分スタート)に冒険心を募らせる。こうしたマラソンへの姿勢は、4月10日、ディフェンディングチャンピオンとして臨むボストンマラソン(15日)に出発した際にもにじんだ。

 五輪を目指す井上大仁(MHPS)と取材に応じ「昨年は天候に恵まれましたので優勝できましたが・・・」と、さらりと言う。しかし ・・・ログインして読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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