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スマホやるなら、自動運転でも車を止めよ

当面のシステムでは瞬時の認知判断が必須の責任だ

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

拡大「ながら運転」のトラックにはねられ、母親が死亡し幼い子どもが負傷した事故現場=埼玉県草加市

 自動車の運転中にスマートフォンやタブレットなど(以下、スマホ)を使用する「ながら運転」の罰則強化を盛り込んだ道路交通法改正案が3月に閣議決定され、おそらく今国会(会期は6月26日まで)で可決され今年中に施行される、と報じられている(2019年3月8日朝日新聞等)。国民普及率8割とも言われるスマホを誰もが自信満々に使いこなし、あらゆる状況で検索し、リアルタイムに近い返事を最優先する世の中となった。その「自信満々」の中に自動車や自転車の運転はもちろん、ここでは歩行も含めた公共空間での“ながら自己移動”が含まれており、周囲不注意による死亡や負傷等の事故が多発していることは世の報道のとおりだ。そしてその事故件数の背後に膨大な数のヒヤリハットがあり、少なくともそれらを道路上で行った場合の規制はすべて道路交通法に定められている。

スマホ起因の交通事故は10年で倍増

 歩行者といえども交通事故の責任がゼロではないケースもあり、罰則がないだけでその善管注意義務は広く認められていて、さらには公道であろうがなかろうが公共空間一般に同じ注意力が必要とされる。刑事で問われずともぶつかった相手の損害賠償は発生しうる。実態がいかようであってもその建前論は誰も否定できない。そしてスマホ起因の交通事故件数はこの10年で倍増、2018年の死亡事故は42件となっている(警察庁公表)。

 その例外としてイメージされているのが、自動車のいわゆる自動運転だろう。今回の道路交通法改正でも、段階を追って実現している安全運転支援システムについて「運転」すなわち運転手の責任に帰する行為を明確にした。具体的には渋滞中の高速道路での追従低速走行機能を想定して、運転者がすぐに適切に操作を引き継げる状態でいれば、スマホなどの使用や画面の注視などを認めることになろうとしている。逆に言えばこれ以外は見つかり次第取り締まりの対象だ。

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

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