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スマホやるなら、自動運転でも車を止めよ

当面のシステムでは瞬時の認知判断が必須の責任だ

倉沢鉄也 日鉄総研研究主幹

車を止めればすべては解決

 筆者はこの点「「自動運転車社会」の啓発と社会運動が今こそ必要」(WEBRONZA2016年7月19日)「“全自動車”はGoogle Carのように簡単ではない」(同2013年9月13日)「「責任をもって止まる」の先にしか、自動運転の未来はない」(同2014年2月21日)など繰り返し述べてきている。本稿についても結論は「自動運転であろうがなかろうが、車を止めればすべては解決する」である。

 ヒヤリハットのすべての原因が「操作」ではなく、前段階の「認知」「判断」にあること、つまり手・足・目・耳・口の問題ではなく脳の問題であることは、だいぶ前から交通工学の世界で科学的に証明されている。筆者も10年以上前の学術発表の場で、ハンズフリー電話でもラジオ聴取でも、考え事で頭がいっぱいの状態でも、さらには単なる寝不足でも、認知判断から操作を始める時間はほぼ同じ、その結果のヒヤリハットの可能性もほぼ同じ、という結果を複数見せられた。スマホをタップする姿はその認知判断力低下状態の証明だから“現行犯”で取り締まられる、というわけだ。

 自動車交通とくに道路インフラの構造を変えないまま自動車だけを自動運転させる限り、人間でもAIでも永遠に“自己責任”を負う。その責任をまっとうできる十分条件は「雑念自体が一切禁止された運転手」だというのが道路交通法の暗示するところである。同法を所管する警察庁は、

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筆者

倉沢鉄也

倉沢鉄也(くらさわ・てつや) 日鉄総研研究主幹

1969年生まれ。東大法学部卒。(株)電通総研、(株)日本総合研究所を経て2014年4月より現職。専門はメディアビジネス、自動車交通のIT化。ライフスタイルの変化などが政策やビジネスに与える影響について幅広く調査研究、提言を行う。著書に『ITSビジネスの処方箋』『ITSビジネスの未来地図』など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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