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望月衣塑子の質問(1)質問制限の発端

新聞凋落、マスコミ不信、安倍政権長期化。その中で起きている「望月現象」を追う

臺宏士 フリーランス・ライター

スクープで証明

 「何回となく事実と異なる発言があったということも事実でありますので、実は新聞社には抗議をしています。かつて、たしか9回ほど。そして、今回は、これは、記者会見の主催はまさに記者会でありますから、何回となく続いているものでありますから、記者会に申し上げたということです」

 菅官房長官は2月12日、衆院予算委員会で奥野総一郎氏(国民民主)の質問に対して申し入れは9回に及ぶことを明らかにした。東京新聞は一部の幹部だけで対応に当たっていたようで、社内でも菅官房長官が明かした申し入れの回数の多さに驚きを隠さない社員は少なくなかったという。

 「検証と見解」によると、今回の質問制限問題の発端となったのは、2018年12月26日の質問だった。

 沖縄・辺野古での米軍新基地建設に向けた埋め立て工事の土砂投入が12月14日に始まると、県の担当者を含めて現場では何人もが海水が茶色く濁っていることを目撃した。赤土の大量混入を疑うのは自然で、県が沖縄防衛局に立ち入り検査を求めたのは、工事の承認を与えた県として当然の措置だろう。

 ところが、官邸は県の立ち入り検査を受け入れたり、内部調査を始めるどころか、「事実に反する」として疑問を呈する質問を問題視した。官邸は長谷川栄一・内閣広報官名で臼田信行・東京新聞編集局長に宛てた文書で抗議するとともに、内閣記者会にも上村報道室長名で「事実誤認等があり、問題意識の共有」を求める文書を出した(文書は2019年4月に入り3カ月以上たった今も内閣記者会内に掲示されているらしいが、記者会幹事社は官邸側に「記者の質問を制限することはできない」と口頭で述べ、文書は受け取っていないという立場という)。東京新聞に対する申し入れはこれで8件目だった。

 内閣記者会宛の申し入れ文書に記された、「東京新聞の特定の記者による質問について、事実誤認等がありました」とする官邸の主張は次のような内容だった。

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筆者

臺宏士

臺宏士(だい・ひろし) フリーランス・ライター

毎日新聞記者をへて現在、メディア総合研究所の研究誌『放送レポート』編集委員。著書に『アベノメディアに抗う』『検証アベノメディア 安倍政権のマスコミ支配』『危ない住基ネット』『個人情報保護法の狙い』。共著に『エロスと「わいせつ」のあいだ 表現と規制の戦後攻防史』『フェイクと憎悪 歪むメディアと民主主義』など。 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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