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[28]移民社会・日本に「公正住宅法」が必要だ

米・住宅省によるFacebook提訴に学ぶ

稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

注目される、住宅確保に関わる課題

 外国人の受け入れに関して私が注目しているのは、住宅の確保に関わる課題である。

 昨年12月25日に政府が発表した「外国人材の受け入れ・共生のための総合的対応策」では、外国人の住宅確保に関して以下のような施策が記載されていた。

・外国人労働者の受け入れ企業が、自ら適切な住宅確保を行うほか、保証人として入居をサポートするなど、責任をもって住宅の確保が確実に実施されるよう、環境整備を行う。

・不動産関係団体において、大家の懸念を払拭するため、外国人の入居受け入れに関する無料相談窓口の充実を図る。

・国土交通省で作成している「外国人の民間賃貸住宅入居円滑化ガイドライン」(各国語版の賃貸住宅標準契約書や実務対応マニュアルを収録)を自治体、不動産関係団体と連携して普及する。

・2017年度から実施されている空き家を活用した新たな住宅セーフティネット制度の活用を図る。

・公営住宅への入居については、在留資格を持つ外国人が日本人と同様に入居できるよう、自治体に引き続き要請する。

・UR(都市再生機構)の賃貸住宅において、外国人の居住者が多い団地で実施されている外国人との共生の取り組み(外国語版の居住者向けリーフレットの配布、通訳の配置、居住者間の交流イベントの開催等)を推進する。

 民間賃貸住宅への入居支援については、すでに先行して動いている自治体も存在する。

 住民の8人に1人が外国人である東京都新宿区では、住まい探しや生活ルール・マナーなど、住まいに関わる様々な情報を多言語で提供。不動産業界にも協力を要請し、入居の支援や入居後のトラブルの未然防止に力を入れている。

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筆者

稲葉剛

稲葉剛(いなば・つよし) 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 1969年広島県生まれ。1994年より路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し、2014年まで理事長を務める。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)等。

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