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「女子は勉強しないでいい」というトレンド(上)

2019年中学受験で私大付属校が大躍進、女子は大学受験を避ける傾向が強まる

杉浦由美子 ノンフィクションライター

拡大塾関係者に見送られながら試験会場に向かう私立中学の受験生=2019年2月1日

 教育のあり方も変化している。その中で保護者や当事者たちの意識はどう変化しているのか。中学受験の結果を見ながら、現在の女子教育のトレンドを読み解いてみよう。男子の教育は実は昭和の時代も今も変わらない。東大や国立医学部への進学実績が多い難関校ほど偏差値が高い。しかし、女子は違う。5年ほど前までは、進学校に入れて、男子同様にガリ勉をさせることがトレンドだったが、今は私大付属校の人気が復活し、勉強はそこそこでいいという流れがある。女性の社会進出が広がる中で、なぜ、そのようなトレンドが出てきたのか考えてみよう。なお、偏差値(難易度)は日能研の2019年R4結果を使用する。

共学付属校は女子の方が偏差値が高いのは差別?!

 中学受験の世界は部外者からすると謎が多い。最近も、ネット上で「共学付属中学入試で女子は男子より難易度が高い。女性差別だ」という批判が盛り上がっていた。ようは学校側が女子の合格点を高く設定していると怒っているわけだが、そんなことはない。大抵の学校で定員は男女共同じだ。単純に男子と女子では付属校の人気が違うのだ。ディズニープリンセスのグッズを女子50個、男子50個に配るとしよう。女子に人気のキャラクターグッズだから、女子の分は奪い合いになり、男子の分は余るだろう。それは男女差別ではない。

 さて、ある名門私立大学の付属校に息子を入れた母親がこう話していた。

 「長男は上昇志向が強いので開成に入って東大を目指しています。次男は勉強よりもスポーツに熱中し、女の子から人気があるタイプ。ガリ勉はかっこ悪いと思っているから、私大の付属校に入りました。付属校は中一ぐらいだと男女で全然カラーが違いますね。女子は熾烈な受験競争を勝ち抜いてきた秀才タイプで、一方、男子はのんびりしてたり、次男みたいなリア充タイプだったり。入学当初、息子はクラスの女子を”ガリ勉馬鹿ブスばかり”と言っていましたね。でも、女の子たちも付属校に通ううちに垢抜けていきますから」

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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