PTA本部役員をうっかり引き受けたら見えたこと
フルタイム記者の決意と挫折と後悔
今川綾音 東京新聞生活部記者 子育てサイト「東京すくすく」編集チーム

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2年前、うっかり娘の通う小学校のPTAの本部役員を引き受けてしまった。
やるからにはと、仕事や家庭にしわ寄せがいかないようにと、いくつもの提案をした。「せっかくだから、フルタイムの人でも無理なく関われるようなPTA本部にしていきたい」とも願っていた。
しかし、提案はことごとく却下された。また、PTA本部を変えたいという願いも早々に挫折。それどころか最後には、ミイラ取りがミイラになる羽目にもなった。
そんなPTAに関わった1年間。理不尽な活動に苦しんだ日々のほんの一端を、後悔や反省、そこから自分なりに考えたことをまじえ、綴ってみたい。
「PTA委員は、もう少し先に」のつもりだったのに……
もともとこの年は、本部役員より負担の軽い広報やクラス委員でさえ、引き受けるつもりなんて1ミリもなかった。当時娘は小学2年生。下に年長児とまだまだ手のかかる2歳の息子がおり、「PTAの委員は、やるとしてももう少し先。末っ子がもう少し大きくなってから、広報でもやろうかな」とゆったりと構えていた。
そんな私が、あろうことか、殺人的に活動量の多い本部役員をすることになったのは、なぜか。
それは、さかのぼること約2年半、ある光景に出くわしたからだった。