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市長はなぜマニフェストにPTA問題を掲げたのか

PTAにおける保護者の負担軽減を掲げて当選した越田謙治郎・兵庫県川西市長に聞く

田中聡子 朝日新聞オピニオン編集部記者

社会の問題として認知されるきっかけに

拡大川西市長の越田謙治郎さん
――直接に役所が任意団体に手をつっこむのはおかしい。でも一方で、直接「だめじゃないか」とはできない。そこでたどりついたのが「検討会によるモデル的な活動の提示」ですね。少しじれったさもありますし、示されたモデルを活用するかどうかも単P次第……。

 「めっちゃ頑張ろう」であっても、みんなが話し合った結果であればいいでしょう。ただ、「うちができたんだから、あそこでもできる」とか「あっちでできたんだから、うちもできる」とかはなしにしましょう。もう一つ重要なのが、一回決めたことであっても、変えていいというルールを設けてほしい。本来は、毎年「今年は何しよう」と考えるのがあるべき姿。でもそれは大変ですよね。いずれにせよ、最後は自分たちが考えて決めるしかありません。

――PTAって「話し合って決める」ことが、めちゃくちゃ大変なんですよね……。

 こうやって市が「検討会やります」とぶち上げて、オープンの場で議論する。「PTA改革ってなんやねん」「壊されちゃうのか」「廃止してくれるのか」と、いま、多くの人がいろんなことを考えているはずです。その意見を出し合うきっかけになるでしょう。そういうきっかけがこれまでなかったから、いつまでもPTAの問題が「保護者の問題」とされ、「社会の問題」と認知されなかったのではないですか?

――検討会の人選が、議論の流れに大きく影響しそうですね。人選によっては、結論が正反対にもなりかねません。どのように選ぶのでしょうか。

 検討会を設けることになった問題意識を共有してくれる人にお願いしたい。「今のままでなんの問題もない」という人は困ります。逆に「PTAなんかこわしちゃえ」という極論も受け入れられないでしょう。両極端ではなく、PTAの現状に対して「なんかせなあかん」と考えている人でなければいけない。

 会長や役員経験者には絶対に参加してもらいたいし、有識者や校長、地域のコミュニティー団体の代表者にもお願いしたいですね。

――地域団体といえば、PTAが仕事を減らそうとした時に「自治会に反対された」という話が少なくありません。

 実情を分かってもらわないといけない。地域のみなさんが学校や子どもたちにめちゃくちゃ協力してくれているのは間違いない事実です。かといって、行事のたびに「PTAから人を出して」と強制されても、なかなか難しい。地域の方だって、「おれらがこれだけやってるんだから、PTAも手伝えよ」と言ってるわけではないでしょう。いつからかお願いするようになったことを繰り返しているだけ。今までと同じことをするのが、一番楽ですからね。

 地域活動をされている方の方が学校の保護者よりも年齢層が上です。変えようとしている時に、「若いもんは知らないだろうが、こういう経緯があって」なんて言われると、反論しにくいかもしれません。だからこそ、市が間に入っている検討会で議論してもらう意義があるでしょう。

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筆者

田中聡子

田中聡子(たなか・さとこ) 朝日新聞オピニオン編集部記者

2006年、朝日新聞社入社。盛岡総局、甲府総局、東京本社地域報道部、文化くらし報道部を経て、20年からオピニオン編集部。PTA、二分の一成人式などの教育現場の問題のほか、自治会など地域コミュニティーへの動員などについて取材している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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