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市長はなぜマニフェストにPTA問題を掲げたのか

PTAにおける保護者の負担軽減を掲げて当選した越田謙治郎・兵庫県川西市長に聞く

田中聡子 朝日新聞オピニオン編集部記者

法律上、人権上おかしなことは放置できない

――いまこの瞬間にも、「役員やらないなら理由を言え」と病歴を開示させられたり、会員にならなかったために村八分にされたりといった「オトナのいじめ」がどこかで起きています。そういう個人に対して、何かできることはないでしょうか。

 それは課題ですね。最低限守ってほしいことや、やめてほしいことのガイドラインは必要でしょう。法律上、人権上おかしなことは、放置してはいけない。

拡大TierneyMJ/shutterstock.com
 まず、任意の組織だということだけは守ってほしいので、早い段階で市から学校に示します。会費を徴収する組織なのに、「気づいたら勝手に会員になっていた」というのは許されません。学校の名簿が自動的にPTAに渡っているのも問題です。

 「役員やりたくないんだったらなんでやりたくないか理由を言え。じゃなかったら役員だ」というのも、民主主義の社会としてはあり得ないんですよね。「理由」も昔は「仕事」ぐらいでよかったのが、いまは働く人が多いから、介護だとか、病気だとか、自分のパートナーがこんな事情で大変だとか、そういうすごくプライベートなことまで公の場で言わないといけない。

 しかも、さんざん自分のプライバシーをさらした揚げ句、「免除していいと思う人は手を挙げて」という段になったら、「この人が免除されたら自分に回ってくるかも」と思ってみんなだんまりだったという話も聞きました。役員決めのためのじゃんけんやくじ引きも、おかしいですよね。

 よく話に聞く、非会員の子どもに「会員じゃないからおまんじゅう配らないぞ」とか「卒業生へのプレゼントはやらないぞ」とか、あるでしょう。「本当に子どものための組織なんですか?」と思いますね。だったらそれぞれ自分の子どもにやってくれって話。「親が会費を払ってないからあげない」という理屈でいうと、受益が全くない学校の先生がお金を払うことが、全く理にかなわなくなります。

          ◇

【お知らせ】
越田さんをパネリストに招いた「PTAフォーラム ~取り戻そう、自分たちの手に~」が5月18日に開かれます。校長や保護者らによる講演やグループディスカッションのほか、憲法の視点からPTA問題を発信する木村草太さんへの質問コーナーがあります。終了後、懇親会(会費制)も予定しています。詳細は以下の通り。

◇日時 5月18日(土) 午後2時半~6時
◇会場 東京・築地の朝日新聞東京本社2階読者ホール
◇申し込みは「こちら」から。参加費2千円。
◇主催:PTAフォーラム実行委員会 後援:論座、東京すくすく(東京新聞)、朝日新聞#ニュース4U
◇問い合わせ ForumPTA2019@gmail.com

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筆者

田中聡子

田中聡子(たなか・さとこ) 朝日新聞オピニオン編集部記者

2006年、朝日新聞社入社。盛岡総局、甲府総局、東京本社地域報道部、文化くらし報道部を経て、20年からオピニオン編集部。PTA、二分の一成人式などの教育現場の問題のほか、自治会など地域コミュニティーへの動員などについて取材している。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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