なでしこジャパン、再び世界の頂点を目指す舞台へ
6月に女子サッカーW杯フランス大会、3年の苦闘経て90人招集の集大成
増島みどり スポーツライター
必要とされた大幅な世代交代
15年W杯翌年、16年リオデジャネイロ五輪アジア最終予選で敗退し、2004年アテネ五輪以来積み重ねたオリンピック連続出場が消滅。国際大会の数が男子と比較して少ない女子にとって、五輪とW杯は、世界に対し自分たちが今、どの位置を走っているのかを明確にするいわば「両輪」のような存在である。そのひとつを失い脱輪したままの危機は、これまで幾度となく女子サッカーが乗り越えてきた崖っぷちとは様子が異なっていた。問題が一気に噴出したからだ。
エース澤穂希、チームの司令塔・宮間あやら、主軸の選手の多くがピッチを去り、かつてない大幅な世代交代が必要とされた。
さらに、11年優勝時には速いパスワークとスピード、団結力で世界を席巻したサッカーのスタイルそのものにも大きな変化が求められた。世界中が、体格で不利な日本が躍進した創意工夫を取り入れようと、女子の強化に本腰を入れ研究を始める。リオ五輪のアジア予選敗退は、いつの間にかマンネリ化していたチームと、新サッカーの模索を同時に突きつけられた結果だった。ドン底ともいえる時、
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