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『白い巨塔』が微妙だったのは配役のせいか?

医療技術は最新式なのに妻たちは昭和満載。現代風アレンジと古い設定が混合し興ざめも

杉浦由美子 ノンフィクションライター

現代風にアレンジしている部分と、古いままの部分が混在

 ネットでは配役への不満が多く見受けられたが、それ以上に視聴者が興ざめした理由は、脚本上で、現代風にアレンジした部分と原作が刊行された1965年の設定そのままが混在している点ではないか。

 『白い巨塔』は映像化されるたびに、現代風に修正がされてきた。

 2019年版『白い巨塔』では、主人公の外科医財前五郎は腹腔鏡手術の名手で、カルテは電子送信、登場人物たちはスマートフォンでやりとりをする。教授陣に女性がいるのも今風だ。しかし、それ以外は女性の描き方がまるで昭和なのだ。教授夫人の集まり『くれない会』なるものがあって、主人公の妻はそこに入ったことを非常に喜ぶ。『くれない会』はシティホテルの一室らしき場所でパーティーを開き、夫人たちが着物で集まる。そんな時代錯誤なものが2019年に存在するのだろうか。

 仮に存在しても今時の教授の妻は「あんな面倒くさい集団、絶対に嫌」と思うのではないか。里見の妻も「あなたが教授になって、良い研究をするのが私の希望」のような台詞をいうシーンがあったが、

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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