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映画『新聞記者』に込めた思い

「映画」こそ真の自由であることを願って

河村光庸 映画プロデューサー

拡大©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

我々の前に立ちはだかる「官邸記者クラブ」

 過去、政治権力とジャーナリズムを扱った洋画は多くの名作を生んでいますが、日本映画にはほとんどありません。しかもフィクションではありますが、この映画の最大の特徴である、ここ2、3年で起きた政治的大事件をモデルにしているところです。

 これらの政治事件は本来であれば一つ一つが政権を覆すほどの大事件です。ところがあろうことか、年号が令和に変わろうが継続中であるべき大事件が一国のリーダーと6人の側近の“令”の元に官僚達はそれにひれ伏し、これら大事件を“うそ”と“だまし”で終りにしてしまったのは多くの国民は決して忘れはしないでしょう。

 一方で日本の報道メディアについても多くの問題があります。記者クラブの中でなぜ望月記者に続く人間が現れないのか? それで権力の番犬の役割が果たせるのか?

拡大©2019『新聞記者』フィルムパートナーズ

 既存メディア、特に「記者クラブ」の政治部の記者たちは望月記者を「目立ちたいだけ」と非難していますが、その前にジャーナリズムの本質的な姿勢に立ち返るべきは「官邸記者クラブ」です。

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筆者

河村光庸

河村光庸(かわむら・みつのぶ) 映画プロデューサー

1949年生まれ。94年に青山出版社、98年にアーティストハウスを設立し数々のヒット書籍を手掛ける一方、映画出資にも参画し始め、映画配給会社アーティストフィルムを設立。08年にスターサンズを設立し、『牛の鈴音』、『息もできない』(08)などを配給。エグゼクティヴ・プロデューサーを務めた『かぞくのくに』(11)では藤本賞特別賞を受賞。ほか企画・製作作品に『あゝ、荒野』(16)、『愛しのアイリーン』(18)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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