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福島の甲状腺検査は即刻中止すべきだ(上)

無症状の甲状腺がんを掘り起こす「検査の害」

菊池誠 大阪大学教授(物理学)


拡大ソ連・ベラルーシ共和国(当時)で超音波による甲状腺がんの診断を受ける少女=1990年撮影

被曝量はチェルノブイリより桁違いに小さかった

 先に進む前にあらかじめ言っておこう。筆者は医学者ではなく物理学者で、しかも放射線の専門家でもない。それでも、東電原発事故後にたくさんの「科学的根拠もなくただ人々の不安を煽るだけ」の書籍や新聞記事・ネット記事があふれたことに危機感を覚え、原発事故から三年後に仲間たちと『いちから聞きたい放射線のほんとう』という本を出版した。放射線については健康影響も含めて相当に知見が蓄積されており、一般向けのひと通りの解説ならむしろ専門家でないほうが分かりやすく書けると考えたからである。

 この中で私たちは、放射線被曝に起因する健康影響の大きさは被曝量による、つまり「あるかないかではなく、程度問題」という点を強調した。実際、福島で避難指示が出されていない地域での放射線量は

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