「全国マン・チン分布考」を書いた松本修さんが広告出稿、俵万智さんらも賛辞
2019年06月26日
男女の性器を各地でどう呼ぶかを調査し新書「全国マン・チン分布考」として昨年10月に出版したテレビプロデューサー松本修さん(69)が、6月26日付の日刊スポーツの大阪、名古屋本社版に著書を購入してくれたお礼にと異例の全面広告を出した。歌人の俵万智さんら4人が賛辞を送る1ページの広告を、個人の一著者が出稿するのは異例。新たな反響を起こし、女性読者の開拓を狙っている。
広告では、松本さんの知人でもある俵さんが「日本人の心根の優しさを感じさせてくれる」「学問というものを体現した痛快なドキュメント」とたたえている。言語学者の井上史雄・東京外国語大名誉教授も「一語を中心に『言語地理学』と『文献国語史』を融合させた本を書く人はいませんでした」と評価。新書の帯文を書いた作家阿川佐和子さんの「この問題をこれほど真面目に分析解説した本があっただろうか?」、評論家立花隆さんの「きわめて面白い『東京での〈おまん〉の衝撃』」という言葉も紹介されている。
1988年から始まり現在も続く朝日放送テレビのバラエティー番組「探偵!ナイトスクープ」をプロデューサーとして始めた松本さんは91年、「アホ」「バカ」の呼び方が各地方でどのように異なるかを全国の市町村にアンケートした。京都を中心に同心円状に分布しているという結果を番組で発表し多くのテレビ番組の賞を受け、著書「全国アホ・バカ分布考」にまとめた。
定年退職後、大阪芸術大教授を務めながらも「ナイトスクープ」に企画プロデューサーとして関わってきた松本さんの心残りは、興味をもち92年に全国アンケートを実施しながら番組で実現できなかった「女陰」「男根」の呼称の分布図だった。本での分析なら可能と判断し、2015年ごろから研究と執筆に取りかかった。その結果、京都を中心とした同心円の分布が明らかになり、柳田国男の方言周圏論を裏付ける内容となった。
「全国マン・チン分布考」では名称の分布状況だけでなく、
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