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さまざまな形ではびこるPTA問題を語り合った!

記者たちがやむにやまれず企画した「PTAフォーラム」から聞こえてきたもの……

田中聡子 朝日新聞文化くらし報道部記者

拡大3人のパネリストは、保護者、学校、政治とそれぞれの立場からPTAについて語った

書くだけでは変わらない!

 「PTA問題」について取材を続け、5年ほどになる。その間も、強制加入や役員の押しつけ合い、非会員の子どもへの差別など、PTAをめぐる様々な問題が多くのメディアで指摘されてきた。だが、記事がどれだけ世にあふれ出ても、問題は解決されず、苦しむ人は後を絶たない。

 「書くだけでは、変わらないのではないか」という無力感にさいなまれつつ、ここで立ち止まってはいけない、新たな取り組みに踏み出さなければという、やむにやまれぬ問題意識でつながった複数の新聞社の記者らが、社の枠を超えて協力しあい5月中旬、都内で「PTAフォーラム~取り戻そう、自分たちの手に」を開いた。

 フォーラムの第一部は3人のパネリストを招いてのパネルディスカッション、第二部は小グループに分かれてのワークショップと首都大学東京の木村草太教授との質疑応答。まさしく前例のない取り組みで、企画した私たち自身、驚きの連続だった。当日の様子を報告したい。

参加費2千円。でも、90人が参加

 5月18日午後、会場の朝日新聞東京本社・読者ホールに参加者が集まってきた。参加費は2千円。「そんなに高くて、人が来てくれるのだろうか」という不安があったが、必要経費を考えるとそれぐらいにはなる。PTA問題をより広く考えるため、全国紙や地方紙の記者有志らによる手作り企画のため、会社からはお金が出ないからだ。

 正直言えば、募集を始めてしばらくは不安が絶えなかった。大型連休中は、申し込みがずっと一ケタ台。「開催できるのだろうか……」と弱気にもなったが、開催日が近付いてきた5月の中旬からはうなぎ登りに申込者が増えた。当日に飛び入り参加してくれた人もいて、最終的に約90人が参加。PTA問題に関心を持つ人の多さをあらためて感じた。

 開会のあいさつをしたのは、企画の発案者である朝日新聞記者の堀内京子さん。

 「『入退会自由』という武器を手に入れても、それだけではPTAは変わらなかった。一人ひとりの経験や思いを可視化することが大切です」と訴えた。

 PTAが入退会自由であることは、かなり多くの人が知っている。でも、実際には、「入会は任意ですが、全員にご協力をお願いしています」などの言葉で強制されたり、退会すれば子どもが差別されたり、本当の意味で「入退会自由」にはほど遠い。PTAをめぐる問題は、さまざまな形で今も各地ではびこっているのだ。


筆者

田中聡子

田中聡子(たなか・さとこ) 朝日新聞文化くらし報道部記者

2006年、朝日新聞社入社。盛岡総局、甲府総局、東京本社地域報道部を経て、17年から文化くらし報道部。PTA、二分の一成人式などの教育現場の問題のほか、自治会など地域コミュニティーへの動員などについて取材している。

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