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吉本芸人の騒動から考える謝罪のあり方

前園真聖氏や市川海老蔵氏は、なぜ失敗しなかったのか? 失敗と成功の例に学ぼう

前田哲兵 弁護士

謝罪1拡大吉本興業ホールディングスが6月27日に公表した「決意表明」。「コンプライアンス遵守の再徹底を図る」とした

 6月24日、吉本興業は、「雨上がり決死隊」の宮迫博之氏や「ロンドンブーツ1号2号」の田村亮氏らを含む11人を「当面の間、活動を停止し、謹慎処分」にしたと発表した。処分の理由は、5年ほど前に特殊詐欺グループとされる反社会的勢力が主催する会合に参加し、金銭を受領したことであるとされている。人気芸人のまさかの不祥事に世間は騒然とした。その後、6月27日には、「スリムクラブ」と「2700」の4人が、3年ほど前、反社会的勢力が出席するパーティーに参加し、金銭を受領していたとして「無期限謹慎処分」とした。どこまで広がるのか、何が真実なのか、連日、テレビやスポーツ紙、インターネットニュースが伝えている。

 吉本興業は、宮迫氏や田村氏らの謝罪コメントをホームページに掲載し、その後、「決意表明」と題する文面を発表したが、騒動はおさまるばかりか、逆に火に油を注いでいるようにさえ思える。危機管理という観点からみると、その対応は悪手の連続であるとすらいえる。

謝罪1拡大宮迫博之さん
謝罪1拡大田村亮さん
雨上がり決死隊
宮迫博之

 「この度は世間の皆様、関係者の皆様、並びに番組・スポンサーの皆様に大変なご迷惑をおかけし申し訳ございません。そういった場所へ足を運んでしまい、間接的ではありますが、金銭を受領していたことを深く反省しております。相手が反社会勢力だったということは、今回の報道で初めて知ったことであり、断じてつながっていたという事実はないことはご理解いただきたいです。詐欺集団、そのパーティーに出演し盛り上げている自身の動画を目の当たりにして、情けなく、気づけなかった自身の認識の甘さに反省しかございません。どれぐらいの期間になるか分かりませんが、謹慎という期間を無駄にせず、皆さんのお役に立てる人間になれるよう精進したいと思います。改めて誠に申し訳ございませんでした」


ロンドンブーツ1号2号
田村亮

 「特殊詐欺グループの開いた会に、筆者ロンドンブーツ1号2号田村亮が参加した件で、金銭の受け取りがございました。自分の都合のいいように考えてしまい、世間の皆様に虚偽の説明をしてしまった事を謝罪させて頂きます。筆者を信用してくれていた世間の方々、番組スタッフ、関係者、吉本興業、先輩方、そして淳を裏切ってしまった事は謝っても謝り切れないです。ただ、特殊詐欺グループとは本当に知りませんでした。そこだけは信じて頂きたいです。このような行動をとった自分が恥ずかしくて堪えられないです。謹慎期間を通して、自分を見つめ直し二度とこんな行動をしない人間になるようにします」
https://www.yoshimoto.co.jp/corp/news/media/media190624.html

 今回、彼らは処分を受け、再起のめどは全く立っていない。しかし、筆者は当初、宮迫氏らが口をそろえて「お金は受け取っていない」という説明を始めた段階で、これは一大事になると確信していた。それは、彼らが「謝罪の鉄則」を守っていなかったからである。

謝罪会見にみる謝罪の鉄則

 謝罪には、鉄則ともいえるルールが存在する。

 筆者がそのように考えるようになったきっかけはテレビの謝罪会見である。謝罪会見を見ていると、ある人は、その後、評価を落としていた。しかし、別の人はその後、逆に評価を上げているように思えた。それは要するに、謝罪には「失敗」と「成功」があることを示している。

 トルストイは『アンナ・カレーニナ』において、「幸せな家庭はどれもみな同じようにみえるが、不幸な家庭にはそれぞれの不幸の形がある」と記しているが、それは謝罪の仕方にも当てはまる。つまり、成功する謝罪とは、守るべきルールを守っているため、ある程度「型」にはまることになる。対して、失敗する謝罪とは、守るべきルールを守っていないため、失敗する要因は人それぞれとなる。

 今からお伝えする「謝罪の鉄則」とは、失敗したと思われる謝罪を分析して、その要因をまとめたものだ。このルールは、著名人の謝罪会見だけに当てはまるものではなく、読者が家庭や職場などにおいて謝罪をする場合にも当てはまるものだと考えている。ぜひ、ご自身の経験にも当てはめながら読み進めてほしい。

【謝罪の鉄則】
① できるだけ早く行う
② ありのままに語る(うそをつかない)
③ 自分の言葉で語る
③ 時間制限を設けない
④ 決して許しをこわない

 以下、一つずつ解説していく。

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筆者

前田哲兵

前田哲兵(まえだ・てっぺい) 弁護士

1982年、兵庫県生まれ。坂井・鵜之沢・前田法律事務所所属。相続や交通事故といった一般民事や刑事事件、企業法務の他、政治資金監査や選挙違反事件などの政治案件や医療事故も扱う。医療政策実践コミュニティー(H-PAC)医療基本法制定チームの筆頭、日本プロ野球選手会公認選手代理人、小中学校のスクールローヤーとしても活動中。著書に『業種別ビジネス契約書作成マニュアル』『交通事故事件21のメソッド』等

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