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大学改革なんてうまくいくわけがない(上)

経団連会長は「教養より英語や数学の基礎力を」と提言、だが誰が大学を改革できるのか

杉浦由美子 ノンフィクションライター

学ぶのは「私だけの真実」

 以前、この欄で東大文系の就職不振を取り上げた。また、他の難関国立大学の文系も好調とは言い難い。難関国立大学から中堅私大に転職した教職員が「前の大学よりも今のところの方が就職がいい」と話していた。2つとも東京にあり、前者の方が知名度は高い。なぜ、入学するハードルが高い難関国立大学の文系は就職で苦戦するのか。

 これについて、東大出身の非常に優秀といわれる研究者に訊くとこう返ってきた。

 「難関国立大学の学生は勉強をしてしまうからです。そして、学ぶのは”私だけの真実”。そうなると外部からの要求に応えられなくなるんです」

 私は膝を叩いた。そうか、彼らが学んできたものは「私だけの真実」なのかと。たとえば経済学は実験ができない。だから自分が立てた仮説をいかに理論的に構築するかを学ぶ。法学も社会学も基本的に同じだ。

 以前、ある編集者に

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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