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憲法学者・木村草太氏がPTA問題に答える(上)

「PTAフォーラム」で参加者との間で交わされた質疑を紹介します

木村草太 首都大学東京教授(憲法学)

「非会員排除撃退マニュアル」を作る必要

★PTA非会員
――「登校班から非会員の子どもを外すのは差別だ」と言っても、学校やPTAからは「私たちは区別しているだけ」とかえされる。どうしたら理路整然と説明できるか?

拡大soi7studio/shutterstock.com
木村 まず、登校班を学校が組織しているのだとしたら、PTAとは無関係なので非会員の子どもを排除できません。学校以外が組織している場合は、登校班も任意団体になる。入りたい人は入る、入らない人は入らない。

 ただ、登校班は、ある場所に集まって一緒に学校に行くという行動ですね。そこに、登校班の「会員資格」を持っていない人が入って一緒に行くということ自体は、私は可能だと思う。なぜかというと、誰だって公道を歩く権利はあるので、たまたま登校班と同じ時間にそこにいって、たまたま同じタイミングで歩き出すということはあるのではないかという。「あっちにいけ」と言われれば「私が公道を歩く権利を侵害するな」と、処理すればよいと思います。

 また、「PTAが学校で行うお祭りなどのイベントに非会員の子どもを参加させない」という問題は、学校で会員限定サービスをいいのか、という指摘をするべきでしょう。もちろん、地域団体や住民に体育館を貸し出すケースなど、学校が会員限定サービスのために貸し出されることはあります。

 しかし、PTAはPTA室の利用など学校から特権を受けています。これは、PTA が学校に通う全ての子どものためにある団体だからです。学校は、「会員限定サービスをするなら、特権は与えられません」というべきでしょう。このことは法律論的には明確なのですが、それを現場で主張しようとするとややこしくなることがあるということです。「非会員排除撃退マニュアル」のようなものを作っておく必要があると思います。

――現在、子どもが在籍していた学校のPTA会長とパワハラで訴訟になっている。総会で発言したら、都合の悪い文句は議事録から削除された。そういうPTAでも社会教育団体として認められるのか。

木村 まず、PTAは完全な任意加入かつ独立した団体なので、学校にはPTA に介入する権限はありません。ただし、学校内の施設を特権的に利用する場合には、その特権を付与する条件として「特定の子どもを排除しない」だとか「公共性のある活動をする」、という要件が課されていないとおかしいと思います。

次に、PTA会長のパワハラですが、パワハラはどの団体でも認められていないので、損害賠償ものだと思います。

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筆者

木村草太

木村草太(きむら・そうた) 首都大学東京教授(憲法学)

1980年生まれ。著書に『憲法の条件――戦後70年から考える』(NHK出版新書)、『検証・安保法案――どこが憲法違反か』(有斐閣)、『社会をつくる「物語」の力』(光文社新書)など。「強制加入は憲法違反」など専門の憲法を武器にPTA問題を斬る。