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ラグビー代表チームは国籍を超えて【2】

対立の時にも共有された誇り

西山良太郎 朝日新聞論説委員

ラグビーW杯拡大ラグビーW杯のチケット販売をPRする公式マスコットのユニット「レンジー」

 ラグビーがメジャーなスポーツになるのはまだまだ容易ではないなあ。

 そう実感する質問を受けることがある。ワールドカップ(W杯)が創設されてから32年がたつのだけれど。それは――

 「日本代表なのに、ラグビーはなぜあんなに外国人選手が多いの?」

 五輪やサッカーのW杯は、原則として「国籍主義」を採用している。国際オリンピック委員会(IOC)や国際サッカー連盟(FIFA)が五輪憲章や規定でそう定めているからだ。代表チームの選手は全員同じ国籍ということになる。だから、それと異なるラグビーを見て疑問を感じるのはよくわかる。

 世界で、国際連合に加盟している国は193ある。しかし、IOCに加盟している国内オリンピック委員会(NOC)は206、FIFAに所属する協会は211にのぼる。

 国連加盟の国より多いのは、例えば米国領のプエルトリコやバージン諸島などのように「地域」も独立した統括組織として加わっているからだ。五輪やサッカーでは、そうした地域を含め、国籍に加えてそれぞれの代表となるためのルールが定められている。

 だが、ラグビーのW杯では、そもそも国籍の規定がない。


筆者

西山良太郎

西山良太郎(にしやま・りょうたろう) 朝日新聞論説委員

1984年朝日新聞社入社。西部(福岡)、大阪、東京の各本社でスポーツを担当。大相撲やプロ野球、ラグビーなどのほか、夏冬の五輪を取材してきた。現在はスポーツの社説を中心に執筆。高校では野球部、大学時代はラグビー部員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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