メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

出版社が一目置く大阪の詩歌専門書店・葉ね文庫

発行部数が少なく品切れになりがちな歌集や句集の増刷を相談される女性店主

川本裕司 朝日新聞記者

出版社からは売れ行き予想の相談

 注目しているのは利用客だけではない。短歌や現代詩のファンをつかむ書店として、池上さんは初版の部数や増刷の可否について出版社から売れ行きの予想を相談される立場になった。

 兵庫県伊丹市に住む八上桐子の初の現代川柳句集「hibi」は、昨年1月に刊行された。「呼べばしばらく水に浮かんでいる名前」という現代詩に近い作風に池上さんが注目し、ツイッターで発信した。葉ね文庫でよく売れ、昨年春には品切れ状態となった。

 版元・港の人(神奈川県鎌倉市)の上野勇治社長は「品切れとなっていた昨年、池上さんに見通しを聞いたところ、『まだまだ売れますよ』と励まされたこともあり増刷に踏み切った」。今年4月に2刷となった。

 15年に客から「西尾さんの詩集、置いてないの」と池上さんは聞かれた。当時は現代詩にあまり詳しくなかったが、西尾勝彦(奈良市在住)の詩集を読んでファンとなり、店頭に並べた。

 品薄となっていた西尾の詩集を16年、東京でのブックフェアに展示したところ、都内の出版社・七月堂が強い関心を寄せた。西尾の過去4冊の詩集に私家版を加えた「歩きながらはじまること」が昨年3月に出版された。通常の2~3倍の千冊を刷ったところ、反響は大きく、4カ月後に千冊増刷した。

 七月堂の後藤聖子さんは

・・・ログインして読む
(残り:約738文字/本文:約1655文字)

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

川本裕司

川本裕司(かわもと・ひろし) 朝日新聞記者

朝日新聞記者。1959年生まれ。81年入社。学芸部、社会部などを経て、2006年から放送、通信、新聞などメディアを担当する編集委員などを歴任。著書に『変容するNHK』『テレビが映し出した平成という時代』『ニューメディア「誤算」の構造』。

 

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

川本裕司の記事

もっと見る