早くも9月スタート、日本はミャンマーと初戦
2019年07月31日
2018年サッカーワールドカップロシア大会から1年が経過した7月、早くも2022年W杯カタール大会の第2次予選の抽選が行われた。日本代表は9月10日、アウェーのミャンマー戦で、3年後を目指す戦いをスタートする。
日本代表・森保一監督(50)は、抽選結果を知り「どこが相手であろうと、一瞬も気を抜けない厳しい戦いがまた始まると身の引き締まる思いです」と、緊張感を漂わせた。監督にとってロシア大会16強、アジア杯準優勝、6月の南米選手権(勝ち点2でトーナメント進出ならず)と、わずか1年で日本サッカーの進化も課題も凝縮された1年だったろう。
日本代表(FIFAランキング28位)は「ポット1」と呼ばれるシード8カ国に振り分けられたためカタール(同55位)、イラン(同20位)といった同じポット1の強豪国と2次予選では対戦しない。日本は、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルとF組(全体では8組)に入り、このうちモンゴル(同187位)とはAマッチ初対戦となる。ビルマ時代をのぞけばミャンマーとも初対戦で、キルギス、タジキスタンとは過去対戦している。抽選には恵まれたといえる。一方、実力差の大きい相手は徹底して守備を重視する。目前の相手に勝つだけではなく、最終予選を常に見据えた攻撃のバリエーションを蓄えてチームを成長させる「勝ち方」にこだわらなくてはならない。大陸予選ではもっとも東西の距離が長く、移動、環境の差が大きいアジアでの変わらないテーマでもある。
最終予選進出は各組首位8カ国と、各組2位から成績上位の4カ国を合わせて12カ国で争われる。来年には、1968年のメキシコ五輪での銅メダル以来となるメダル獲得を目指す東京五輪も控える。五輪と2次予選を、五輪代表監督を兼務する森保監督がどんな選手起用で乗り切って行くかが焦点となる。
これまでのアジア予選には見られなかった異変も起きている。2次予選に、日本の指導者が4人も揃ったのは初めてだ。
カンボジアを率いるのは、現役と並行して活動を続ける33歳の本田圭佑。代表監督に必要なライセンスの取得はまだできないため、「実質上の監督」といった表現にはなるものの、1次予選(日本は出場しない)でパキスタンを破って2次予選進出をけん引した。昨年8月に「まだ苦しい生活をしているカンボジアの人々に、サッカーを通じてちょっとでも勇気を与え、元気になってもらえるプロジェクトにしたい」と、現役のまま、同国の監督に就任すると発表し、ピッチだけではなくカンボジアサッカー界、観光面にまで好影響をもたらしているという。
監督就任後の初戦は、通常なら会場の半分程度が埋まるスタジアムに5万人もの観客が詰めかけた。もともと両国はスポーツでの交流が盛んだった下地もあり、選手と兼任する本田への支持は根強い。自身の有料ブログでは「全ての試合でサプライズを起こし相手を苦しめていく」と、彼らしいメッセージを発信している。
「死の組」と呼ばれるアジア№1のイラン(FIFAランキング20位)、イラク、バーレーン、香港が入ったC組で、カンボジアにとって歴史的な2次予選初勝利を目指す。
Jリーグで柏、新潟、甲府で指揮を執った吉田達磨監督(45)は今年5月、やはり2次予選をにらんでシンガポール代表監督に就任した。D組はサウジアラビア、ウズベキスタンが入った厳しい組だが、
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