増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター
1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。
早くも9月スタート、日本はミャンマーと初戦
2018年サッカーワールドカップロシア大会から1年が経過した7月、早くも2022年W杯カタール大会の第2次予選の抽選が行われた。日本代表は9月10日、アウェーのミャンマー戦で、3年後を目指す戦いをスタートする。
日本代表・森保一監督(50)は、抽選結果を知り「どこが相手であろうと、一瞬も気を抜けない厳しい戦いがまた始まると身の引き締まる思いです」と、緊張感を漂わせた。監督にとってロシア大会16強、アジア杯準優勝、6月の南米選手権(勝ち点2でトーナメント進出ならず)と、わずか1年で日本サッカーの進化も課題も凝縮された1年だったろう。
日本代表(FIFAランキング28位)は「ポット1」と呼ばれるシード8カ国に振り分けられたためカタール(同55位)、イラン(同20位)といった同じポット1の強豪国と2次予選では対戦しない。日本は、キルギス、タジキスタン、ミャンマー、モンゴルとF組(全体では8組)に入り、このうちモンゴル(同187位)とはAマッチ初対戦となる。ビルマ時代をのぞけばミャンマーとも初対戦で、キルギス、タジキスタンとは過去対戦している。抽選には恵まれたといえる。一方、実力差の大きい相手は徹底して守備を重視する。目前の相手に勝つだけではなく、最終予選を常に見据えた攻撃のバリエーションを蓄えてチームを成長させる「勝ち方」にこだわらなくてはならない。大陸予選ではもっとも東西の距離が長く、移動、環境の差が大きいアジアでの変わらないテーマでもある。
最終予選進出は各組首位8カ国と、各組2位から成績上位の4カ国を合わせて12カ国で争われる。来年には、1968年のメキシコ五輪での銅メダル以来となるメダル獲得を目指す東京五輪も控える。五輪と2次予選を、五輪代表監督を兼務する森保監督がどんな選手起用で乗り切って行くかが焦点となる。
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