メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

学校を変えようとする教員は「厄介者」なのか?

改革を進めるためには、目的と強い動機が必要だが、校長の「気付き」も欠かせない。

住田昌治 横浜市立日枝小学校校長

改革する校長と消極的校長の違い

 では、改革を進める校長と改革には消極的になる校長とでは何が違うのだろうか。

 改革を進めている校長は、メディアでその理由を語っているが、私からすると正に当たり前のことを話したりやったりしているだけだというものが多い。改革を進める校長も改革に消極的な校長も、どちらも当たり前だと思うことをやっているのだ。だとすると、それぞれにとって当たり前の前提が違うことになる。やるのが当たり前なのか、やらないのが当たり前なのか。

 「やめる・変える」と言うのには、強い動機(危機感)と目的が必要だ。今まで通りにやるのには、特に理由を説明する必要もなく、「今まで通り」というだけでみんなが安心する。それに対して、「やめる・変える」という言葉は、みんなが不安になって反対したくなる言葉だ。変えるためには理由を説明しなければならないし、変えたくないと思っている多くの人を説得しなければならない。

 腹落ちしない限り動かないのが人間である。何のために変える必要があるのか、組織内での納得を得た上で、保護者や地域などにも理解を求めなければならない。かなりエネルギーがいることだし、勇気も覚悟もいる。かと言って、綿密に計画を立ててガチガチやっていくのは堅苦しいし、益々会議の時間を要して多忙になる。感覚的な思い付きや面白そうだと感じるワクワク感がないとモチベーションが上がらない。

 みんなが楽しく過ごせて、幸せに暮らせるようにするためにはどうするのがいいのか?

 結局はそういうことだと思う。拙著「カラフルな学校づくり」(学文社)でも書いているように、先生の幸せの視点で見直して、ウェルビーイングな生き方ができるかどうかだと思う。いくら理由を付けたところで、日々苦しい生活を強いられ、ぎすぎすした雰囲気の中で過ごし、この学校にいることがつらいと思ったり、この学校で働きたくないと思ったりするようであれば、何の理由も役に立たないからだ。

 持続不可能だと言われるこの社会を、みんなが幸せに暮らせる持続可能な社会にしていくことは、全ての人の願いでもある。そのために学校はどう変わっていけばいいのだろうか? それが問われているのである。

学校改革拡大温かい対話の文化を創る=住田昌治さん提供

働き方は自分で決める

 学校改革は、持続可能な社会を創っていくための内部からの変革であって、誰かからやらされることではない。

 今、話題になっている働き方改革も同じである。そもそも、働き方を人からとやかく言われるのはおかしい。自分の働き方は自分で決めていいはずだ。働くことは生きるためであり、働き方は生き方でもある。自分の生き方は自分で決めるのは当たり前のことだ。働き方は、私たちのライフスタイルの問題なのである。

 だから、働き方方改革なんて言うのはもうやめよう! どんな生き方をするのか、どんなライフスタイルを希求するのか、自分で考え、判断し、実践していくことだ。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

住田昌治

住田昌治(すみた・まさはる) 横浜市立日枝小学校校長

 2010年~2017年度横浜市立永田台小学校校長。2018年度~横浜市立日枝小学校校長。 ユネスコスクールに加盟し、ホールスクールアプローチでESDを推進。独自の切り口で実践を重ね、書籍や新聞等で取り上げられる。2015年度は、「もみじアプローチ」でESD大賞小学校賞を受賞。「円たくん」開発など、子どもや教師が対話的・能動的に学習参加し、深い学びにいたるために有効なツール開発と商品化にも積極的に関わる。  ユネスコスクールやESD・SDGsの他、学校組織マネジメントやサーバントリーダーシップ、働き方等の研修講師や講演、記事執筆等を行い、元気な学校づくりで注目されている。  ユネスコアジア文化センター事業推進委員、神奈川県ユネスコスクール連絡協議会会長、神奈川県環境教育研究会会長、全国小中学校環境教育研究会理事、未来への風プロジェクトメンバー、教育長・校長プラットフォームメンバー、横浜市ミニバスケットボール連盟参与を兼務。  著書に「カラフルな学校づくり~ESD実践と校長マインド~2019」(学文社)

住田昌治の記事

もっと見る