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体操・内村航平、ケガと闘いながら東京五輪目指す

増島みどり スポーツライター

「話にならない」と辛口の自己採点

拡大平行棒の演技をする内村航平=2019年8月30日、福井県営体育館
 特に、4月にも落下し、そこからリズムを完全に失ってしまったと分析する「あん馬」でまた落下するミスには「話にならない」と、むしろ怒りさえにじませるようだった。

 「あん馬は、本当に毎日通して一番練習をしてきた。あれだけ練習ができているのにミスをするんだ、という不思議な感覚です」と、肩の痛みでそもそも練習ができなかった4月とは反対に、練習を積めた種目でミスが生まれた現実に自ら首をかしげる。そして東京五輪について聞かれると「ちょっと厳しいんじゃないですか」と苦笑した。心の中には、練習と試合を結び付けたはずの確信のズレにあったのだろう。

 腰痛が出たとはいえ、「5種目までは行ける感覚です」と、今大会の前日会見でも、ある程度の自信を口にしている。ミスをするなら着地で腰に痛みが増す最終種目の鉄棒か、と思えるほどの手応えは練習で積めた証だ。

 新たな問題を、キャリアを重ねてきた30歳のアスリートが抱えたとすれば、ケガとの闘い以上に実は困難で、多くの選手が挑んでは弾かれてきた壁のせいかもしれない。

 「練習は裏切らない」と信じ、人知れず試合以上の強度で挑んで来た練習に裏切られた時、トップ選手ほど、 ・・・ログインして読む
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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

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