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交通途絶と成田空港孤立

 多数の倒木による鉄道の運転再開が遅れたため、東京都心に本社をおく大会社は、自宅待機の判断をしたところも多く、テレワークの環境整備もあり、月曜の午前中は、都心のオフィスビルはガラガラだったと想像される。

 成田空港では、空港の足となる鉄道やバスが運休し、高速道路も通行止めになったため、空港が孤立状態となった。昨年の台風21号で問題となった海上空港の孤立が、高速遠距離交通に頼る陸上空港でも起きてしまった。台風通過後に、国際便の飛行機が続々と着陸したため、当日の夜には1万3千人を超える人が足止めになった。交通機関が途絶えると、乗務員なども空港に来ることができないため、欠航になった出発便もあった。

拡大孤立した成田空港では、水やクラッカー、寝袋などが配布された=2019年9月9日

経験不足の自治体と近すぎる中央省庁

 千葉県は災害が少なく、東京都心に近い一部地域を除けば、豊かな農村地帯である。このため、県民の生きる力が高く、市町村や県の防災担当は大らかな雰囲気があるようだ。

 千葉県庁は、県域の西北端の千葉市にあり、災害慣れしていなかったこともあってか、市町村の被害報告を待つ形になった。千葉県の市町村数は54と多く、県のプッシュ型支援には限界もある。情報・通信が途絶した市町村からは連絡が入らず、9日に東京電力が示した停電復旧見込みが11日だったこともあり、事態の深刻さに気付くのが遅れた。

 県の状況把握が遅れた結果、メディアも含め、9日の段階では大きな被害が出たとの認識は

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筆者

福和伸夫

福和伸夫(ふくわ・のぶお) 名古屋大学減災連携研究センター長・教授

1957年に名古屋に生まれ、81年に名古屋大学大学院を修了した後、10年間、民間建設会社にて耐震研究に従事、その後、名古屋大学に異動し、工学部助教授、同先端技術共同研究センター教授、環境学研究科教授を経て、2012年より現職。建築耐震工学や地震工学に関する教育・研究の傍ら、減災活動を実践している。とくに、南海トラフ地震などの巨大災害の軽減のため、地域の産・官・学・民がホンキになり、その総力を結集することで災害を克服するよう、減災連携研究センターの設立、減災館の建設、あいち・なごや強靭化共創センターの創設などに力を注いでいる。

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