小笠原博毅(おがさわら・ひろき) 神戸大学大学院国際文化学研究科教授
1968年東京生まれ。専門はカルチュラル・スタディーズ。著書に『真実を語れ、そのまったき複雑性においてースチュアート・ホールの思考』、『セルティック・ファンダムーグラスゴーにおけるサッカー文化と人種』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
オリンピックというドーピング中毒から抜け出すために
本年9月6日、前回のリオデジャネイロ五輪女子800mの金メダリストであるキャスター・セメンヤ選手が、故郷南アフリカのサッカー・クラブでトレーニングを開始し、来シーズンには選手登録される見通しであることが報道された。世界選手権で金メダルを三度獲得し(2009年ベルリン、2011年大邱、2017年ロンドン)、ロンドン五輪の銀に続いてついにリオで頂点に立ったこの稀代のランナーが、陸上からサッカーに転向するという。より正確に言えば、このまま陸上を続けることが制度的に厳しくなっているのである。
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