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なぜファンは進次郎氏を見捨てたのか

逆風が吹き始めたきっかけは入閣よりも結婚か

杉浦由美子 ノンフィクションライター

メディアが手の平返しを始めたわけは

 小泉進次郎環境相への批判的な報道が止まらない。

 少し前までは「将来の総理大臣」としてヒーロー扱いだったが、持ち上げられてきたが、現在は、小泉進次郎の発言を「ポエム」と揶揄したり、政治家としての実力を疑問視したりする報道が溢れている。メディアは読者や視聴者の欲望に応えていく。今現在、小泉進次郎への批判的な報道を求める人が増えているから、そこに向けて、記事を提供している。

 以前から報道関係者たちは、進次郎氏の政治家としての実力に疑問をもっていた。それがここにきてようやく批判的な記事を出せるようになってきて、メディア全体がはしゃいでいる印象もある。さて、なぜ、彼はバッシングしてもいい対象になったのか。

首相官邸で結婚を発表した二人=2019年8月9日拡大首相官邸で結婚を発表した二人=2019年8月9日

 彼がバッシングされるようになった転機は9月の入閣ではなく、結婚発表だったはずだ。

 なぜ、今までメディアは彼への批判を遠慮してきたか。それは彼が人気者だったからだ。その人気を支えるのは女性層である。彼女たちは小泉進次郎を「進さま」と呼んでいた。進さまファンを自称する女性と話していて、こう訊かれたことがある。

「リベラルと保守ってどう違うんですか? 自民党はどっち?」

 この時、池上彰はすごいと思った。急にこの質問をされて、分かりやすく説明するのは難しい。

 そして、こういう「リベラルと保守ってどう違うの? 自民党はどっち?」と疑問を持つ女性層は決して政治に興味がないわけでも、意識が低いわけでもない。選挙には必ずいく。それが国民の責任だと思っている。反対に、新聞や週刊誌の政治経済の記事に目を通し、情報を持っている人たちは「どの政党も候補者もダメだ」と絶望していき、投票を放棄し出す。

 どちらを味方につけた方が選挙に勝てるかといえば前者である。進次郎氏はこの「情報をもってないが、意識は高く選挙には行く」層をつかんできた。そして、この層はマジョリティであり、政治家だけではなく、メディアも無視できない。彼女たちが拒否する情報は報道できなかった。 

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

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