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高橋大輔の転向はアイスダンス界における救世主

田村明子 ノンフィクションライター、翻訳家

高橋大輔とアイスダンスの縁

 声をかけたのは、村元のほうからだったという。彼女はクリス・リードと2018年四大陸選手権3位、平昌オリンピック15位という日本のアイスダンサーとして歴代最高の成績を出しながら、2018年にパートナーシップを解消していた。

村元哉中、クリス・リード組拡大日本のアイスダンスの選手層が薄いなか、村元哉中はクリス・リードと組んで、2018年平昌オリンピックで15位と好成績をおさめた

 実は高橋大輔とアイスダンスとは、これまでも縁が深かった。アイスダンスが好きで興味があることは何度か口にしていたし、過去に指導を受けたり、振付を依頼してきたニコライ・モロゾフ、シェイ=リーン・ボーン、パスカーレ・カメレンゴなどは、いずれも元アイスダンサーである。2011年の夏には、高橋自身がスケーティング技術を見直すために、フランスの著名なアイスダンスコーチ、ミュリエル・ザズーイのところでトレーニングをしたこともあった。

 そんな高橋に、村元は直接聞いてみようと決心したのだという。

 「大ちゃんは昔から憧れのスケーターで、音楽の捉え方や一つ一つの動作に、誰にもない個性がある。彼の世界を一緒にアイスダンスで体験してみたいなという思いがありました」。9月30日に行われた会見で、村元はそう説明した。

「身長差の少なさは問題にはならない」

 高橋は当初、面白そうだと思ったものの自分で良いのかと躊躇していた。

 「僕は身長も低いし、ダンス経験もないし、年齢も33歳で、大丈夫かなという気持ちでした」

 確かにリフトが伴うアイスダンサーは、男女の身長差があったほうが有利ではある。だがアイスダンスの強化にも関わってきた日本スケート連盟の関係者は、こう語る。

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筆者

田村明子

田村明子(たむら・あきこ) ノンフィクションライター、翻訳家

盛岡市生まれ。中学卒業後、単身でアメリカ留学。ニューヨークの美大を卒業後、出版社勤務などを経て、ニューヨークを拠点に執筆活動を始める。1993年からフィギュアスケートを取材し、98年の長野冬季五輪では運営委員を務める。著書『挑戦者たち――男子フィギュアスケート平昌五輪を超えて』(新潮社)で、2018年度ミズノスポーツライター賞優秀賞を受賞。ほかに『パーフェクトプログラム――日本フィギュアスケート史上最大の挑戦』、『銀盤の軌跡――フィギュアスケート日本 ソチ五輪への道』(ともに新潮社)などスケート関係のほか、『聞き上手の英会話――英語がニガテでもうまくいく!』(KADOKAWA)、『ニューヨーカーに学ぶ軽く見られない英語』(朝日新書)など英会話の著書、訳書多数。

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