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開成高校が奨学金で生徒を囲いこむわけ

最難関校も生き残りをかけ必死

杉浦由美子 ノンフィクションライター


開成高校の合格者の45%は入学辞退する

 取材をする中で、近々、ある中高一貫の男子進学校が高校入試を廃止するという情報を耳にした。しかし、開成だけは高校入試を止めるという話は出てこない。なぜか。先出の塾経営者はこう話す。

 「開成には高校入試組の学力トップ層が入ってくるからです。中学入学組の純粋培養の秀才たちからしたら、新しい子たちが入ってくるのは刺激になるし、友達を増やすチャンスにもなります。今、名門校でもいじめの問題が深刻化していますが、開成からはあまりそういった話が出てこないんですよ。理由のひとつには生徒数が多く、多様性があるからじゃないでしょうか。それを維持するために高校入試は続けたいはずです。その秘策として奨学金制度を導入したように思えます」

 なぜ、奨学金が秘策になるのか。まずは高校入試における開成の立ち位置を知るために、2019年度入試の結果をみてみよう。開成高校は定員100人に対して合格者が188人で入学者は104人。つまり合格者の約45%が入学を辞退するのだ。高校受験において、開成は第一志望にする学校ではないことが分かる。

 中学受験では第一志望校のはずの開成がなぜ高校入試では人気がないのか。埼玉の

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筆者

杉浦由美子

杉浦由美子(すぎうら・ゆみこ) ノンフィクションライター

1970年生まれ。日本大学農獣医学部(現・生物資源科学部)卒業後、会社員や派遣社員などを経て、メタローグ社主催の「書評道場」に投稿していた文章が編集者の目にとまり、2005年から執筆活動を開始。『AERA』『婦人公論』『VOICE』『文藝春秋』などの総合誌でルポルタージュ記事を書き、『腐女子化する世界』『女子校力』『ママの世界はいつも戦争』など単著は現在12冊。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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