GP(グランプリ)シリーズで何が起きるか
2019年10月17日
10月18日から、アメリカ・ラスベガスで開催されるスケートアメリカでいよいよ今季のフィギュアスケートシニアGP(グランプリ)シリーズが開幕する。今季は特に、女子が新しい展開になりそうな予感だ。
今季から4回転を跳ぶロシアのジュニア女子がシニアに上がってくることは、全ての関係者たちがわかっていたことではあった。
だが女子は男子以上に、わずかな体型の変化でもジャンプに大きな影響がある。彼女たちがいったい、4回転を持ったままシニアに上がれるのかどうか。
そんな関係者たちの疑念を吹き飛ばすように、今シーズンのチャレンジャーシリーズではいきなり女子の4回転で開幕となった。
9月のロンバルディア杯では、アンナ・シェルバコワがシニア女子として初の4回転ルッツを成功させて優勝。
そして10月5日、さいたまスーパーアリーナで開催されたジャパンオープンで15歳のアレクサンドラ・トゥルソワがフリープログラムで4サルコウ、4ルッツ、そして2度の4トウループと、4回転を4度降りた。
なんとも、信じがたい時代が現実にやってきたのである。
その背後にいるのは、ロシアのエテリ・トゥトベリーゼが率いるコーチングチームだ。トゥルソワもシェルバコワも、このトゥトベリーゼのチームが育ててきた選手なのである。
現在45歳のトゥトベリーゼは、かつてシングルからアイスダンスに転向した経歴を持つ元スケーターで、かのタチアナ・タラソワに師事していたこともある。
コーチとしてはユリア・リプニツカヤにはじまり、エフゲニア・メドベデワ、アリーナ・ザギトワなど、次々とトップ選手を育てて表彰台に送り続けてきた。
3月の埼玉世界選手権で、シニア女子として初の4サルコウを成功させたエリザベータ・トゥルシンバエワも、もともと彼女に師事していた。昨シーズン5年ぶりにブライアン・オーサーからトゥトベリーゼの元に戻って、その9カ月後にいきなり試合で4サルコウを成功させたのである。
怪我などで若くして引退していく生徒も多くいるため、「容赦なく才能を使い捨てにする」と批判する声もある。だが
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