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[34]台東区「路上生活者拒否」の歴史的背景

小田原市の経験に学び、徹底検証と体質改善を

稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

 10月12日から13日にかけて東日本を縦断した台風19号は各地で甚大な被害をもたらし、死者は80人を超えた。

 東京都内の死者は当初、ゼロとされていたが、10月14日、日野市の多摩川河川敷で男性の遺体が見つかった。河川敷でテント生活をしていた70代の男性と見られている。

 身を守る家を持たない路上生活者は、災害時に最も被害を受けやすい立場にある。

 その点を踏まえ、世田谷区や川崎市では多摩川河川敷に暮らす路上生活者に事前にチラシを配布し、台風の接近と避難所の場所を知らせるという対応を取っていた。

拡大台東l区役所
 その一方、台東区の自主避難所では救助を求めた路上生活者が区の職員によって受け入れを拒否されるという事件が発生した。

 問題が発生したのは、10月12日(土)の午後。台風19号が関東地方に接近し、気象庁が「ただちに命を守る行動を」と呼びかける中での出来事だった。

 その日、都内のさまざまなホームレス支援団体は、それぞれの活動エリアにおいて路上生活者に台風への警戒を呼びかけ、避難所など安全な場所に誘導する活動を行っていた。

 東京の東部地域で路上生活者への医療支援活動やフードバンク活動を展開してきた一般社団法人「あじいる」は、上野公園に近い台東区立忍岡小学校に自主避難所が開設されたのを確認。同小学校の場所を伝えるチラシを作って、上野駅周辺で野宿をしている人たちに避難を呼びかけていたという。

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筆者

稲葉剛

稲葉剛(いなば・つよし) 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科特任准教授

一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 1969年広島県生まれ。1994年より路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し、2014年まで理事長を務める。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)等。

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