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「IOCファースト」の驕りがのぞく札幌移転

東京五輪マラソン・競歩会場、調整委員会の行方は?

増島みどり スポーツライター

運営の現場は無視された政治的決定

 オリンピックは都市が開催するイベントであり(サッカーW杯は国が主催)、15日まで事態を知らず「蚊帳の外」に置かれた格好の小池百合子都知事は不快感を示す。同様に、競技運営に携わり、マラソン、競歩の強化を担ってきた日本陸上競技連盟には、国際陸連の理事でもある横川浩会長がいるにもかかわらず、瀬古利彦プロジェクトリーダーはじめ現場が「報道で知った」と明かす。スポーツの祭典どころか、アスリート、運営の現場は無視された「IOCファースト」の政治的決定である。

 マラソンは「オリンピックの顔」とまで言われ都市を象徴する種目で、競歩は東京五輪で日本の金メダル最有力種目である。10カ月を切った今になって、スタート時間をさらに前倒しする案や、コースの変更、予備日の設定といった現実的、かつ実現可能な対応策ではなく、開催提案にもなかった札幌への移転の決断をしたのはなぜか。背景には、ともすれば、生命に危険を及ぼすほどの酷暑の惨状というものをIOCが目の当たりにした恐怖と、酷暑による選手の健康被害が、今後のオリンピックムーブメントやIOCにどれほど深刻な影響をもたらすか、こうした危機感がある。

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筆者

増島みどり

増島みどり(ますじま・みどり) スポーツライター

1961年生まれ。学習院大卒。84年、日刊スポーツ新聞に入社、アマチュアスポーツ、プロ野球・巨人、サッカーなどを担当し、97年からフリー。88年のソウルを皮切りに夏季、冬季の五輪やサッカーW杯、各競技の世界選手権を現地で取材。98年W杯フランス大会に出場した代表選手のインタビューをまとめた『6月の軌跡』(ミズノスポーツライター賞)、中田英寿のドキュメント『In his Times』、近著の『ゆだねて束ねる――ザッケローニの仕事』など著書多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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