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同性婚のその先へ

どんな人も安心して生きていける社会を

増原裕子 LGBTコンサルタント、株式会社トロワ・クルール代表取締役

鹿児島市議が市のLGBT施策に「待った」

 先週末に、鹿児島県に暮らすレズビアンカップルとランチをしていたときのこと。東京訴訟と、その翌週にも大阪で傍聴した裁判について話をしていた。

 「それで、同性婚はいつできるようになるんですかね?」

 と心配そうに聞かれたので、まずは同性婚訴訟がおそらく最高裁までいくことになるだろうこと、その場合に判決が出るまでに4、5年はかかるだろうという弁護団の見立てを伝えた。さらに、司法の判断とは別に、同性婚を法制化するためには、国会での法改正という高いハードルがそびえ立っていることを話した。

 すると、カップルの片方には明らかに落胆の表情が浮かび、「そんなに時間がかかるんですね…」と、もどかしさと悔しさがない交ぜになったような口調で言った。

 同調圧力が強いこの地域では、周りには二人の関係性を絶対に話せない状態だ。しかしそうすると、元気でいるうちはまだいいとしても、どちらかが病気や事故で倒れてしまったときに何の保障もなく、不安がつのる。大切なパートナーであり家族なのに、地域や職場から排除されてしまうことが怖くて言えていないことが、この先の人生の節目節目にどんなふうに影響するのだろう。

 こういう土地柄だからこそ、法律や制度ができることが必要なんだ、私たちには時間がないんだという想いがひしひしと伝わってきた。

拡大「結婚の自由をすべての人に」と訴え東京地裁に入る原告団=2019年4月15日、東京・霞が関

 鹿児島市議会では、9月の本会議でLGBT(性的マイノリティ)の施策をめぐってひと騒動あった。

 「自民みらい」会派の上田市議が、市のLGBT施策に待ったをかける

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筆者

増原裕子

増原裕子(ますはら・ひろこ) LGBTコンサルタント、株式会社トロワ・クルール代表取締役

 LGBTアクティビスト/コンサルタント。株式会社トロワ・クルール代表取締役。2011年よりレズビアンであることをオープンにして社会に対して積極的に発信をしている。2015年渋谷区パートナーシップ証明書交付第1号(2017年末にパートナーシップ解消)。慶應義塾大学文学部卒業、同大学院修士課程修了、ジュネーブ公館、会計事務所、IT会社勤務を経て起業。ダイバーシティ経営におけるLGBT施策の推進支援を手がける。経営層、管理職、人事担当者、営業職、労働組合員等を対象としたLGBT研修・講演の実績多数。著書、共著書に『ダイバーシティ経営とLGBT対応』『同性婚のリアル』等5冊がある。2019年参院選に京都選挙区で出馬、次点で落選するも、「だれ一人取り残さない社会」を目指して幅広く活動している。ツイッターは https://twitter.com/masuhara_hiroko

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです