赤木智弘(あかぎ・ともひろ) フリーライター
1975年生まれ。著書に『若者を見殺しにする国』『「当たり前」をひっぱたく 過ちを見過ごさないために』、共著書に『下流中年』など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
二次元と現実の区別がつかない人が現れだした
さて、overEやHEART CLOSETの名前を出した人たちは、そもそも何を主張したかったのだろうか。
実在の女性の胸が大きいことと、二次元の絵で乳袋が描かれていること。その最たる違いはなんだろうか。それは実在女性の胸はその状態であるに過ぎないのに対し、二次元の絵は常に意図された存在であるという点である。
写真と絵の最も明確な違いを考えたことはあるだろうか? 写真は自然に存在するあるがままの状態を写しているのに対し、絵というのはすべてが意図的に描かれているという違いだ。
写真を撮影していて通行人が映り込むことはある一方で、絵を描いていたら気づかない間に、別の人が背景に紛れて描かれているなんてことはありえないのである。すなわち、絵に書かれているものは、すべて作者の「意図」によって描かれたものなのである。
すなわち二次元における巨乳キャラクターの存在は「必ず意図されたもの」なのである。いわば「乳袋」というのは、単純に表現技法のことだけを指すのではなく、おのずと
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