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災害時、ペットと一緒に生き残るには

ふだんから確認し、考えておきたい避難所と行政の対応

梶原葉月 Pet Lovers Meeting代表、立教大学社会福祉研究所研究員

ペットを連れてゆける避難所は極めて少ない

ペット拡大solarus/shutterstock.com

 今年の秋、日本は連続して台風に見舞われた。9月、10月に上陸した三つの大型台風による死者・行方不明者は100人を超え、被災した地域では今も片付けに追われ、まだ発見されていない行方不明の方々もいる。

 被災された方々には、こころよりお見舞い申し上げ、亡くなった方々のご冥福をお祈りします。

 さて、今回の台風は想定以上の災害被害が発生しただけでなく、ペットの飼い主にも大きな衝撃を与えるものとなった。多くの人が初めて、日本の災害対応ではペットを持つ飼い主のことは、ほとんど配慮されないことを知ったからだ。

 もっともインパクトが大きかったのは、「同行避難」できる避難所が少なかったことだろう。

 台風19号では、ペットと一緒に避難する「同行避難」に関して、各地の避難所の対応の情報がリアルタイムでSNSなどで情報が共有され、「#ペットと避難」、「#ペット同行避難」のキーワードで次々にネットに流された。

 タレントのダレノガレ明美さんや、メンタリストのDaiGoさんなどがこの件に関してツィートしたことも話題になったが、ほかにも、東京都のある区では「ペットと同伴避難したいので避難場所教えて下さいといったら、そんな場所ありませんと冷たくあしらわれた」とか、ある市役所に問い合わせたら、「各避難所の判断に任せているので、ペット可かどうか自分で聞いて回るしかない」という答えだったとか、飼い主の経験が数多く書き込まれている。

 公平を期すために言うと、中にはきちんとペットのいる人と、そうでない人のスペースを分けて、秩序ある受け入れをしている避難所の情報も上がっていた。また、本当はこの避難所はダメなのだけど、と言いながら、そこにいた担当者が同情を示し、廊下ならいてもいいと言ってくれたという例もあった。

 しかし、同行避難の困難さにより、実際の被害も起こっていた可能性もあるようだ。週刊新潮によれば、多摩川の氾濫で亡くなった60代男性は、犬2頭、うさぎ2羽のペットを飼っていたため一緒に連れて避難所に行けないと判断したのではないかと、周囲の住民が語っているという(台風19号・多摩川氾濫で唯一の死者 娘さんが語る「ペット4匹も父と一緒に死んでしまいました…」、週刊新潮 2019年10月24日号掲載)。

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筆者

梶原葉月

梶原葉月(かじわら・はづき) Pet Lovers Meeting代表、立教大学社会福祉研究所研究員

1964年東京都生まれ。89年より小説家、ジャーナリスト。99年からペットを亡くした飼い主のための自助グループ「Pet Lovers Meeting」代表。2018年、立教大学大学院社会学研究科博士後期課程修了。博士(社会学)。近著『災害とコンパニオンアニマルの社会学:批判的実在論とHuman-Animal Studiesで読み解く東日本大震災』。横浜国立大学非常勤教員、日本獣医生命科学大学非常勤講師。

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