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[36]「無事に年が越せる」安心をすべての人に

「年越し大人食堂」開催へ

稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授

仙台で始まった「大人食堂」の取り組み

 ネットカフェ等に暮らすワーキングプアの人たちが、野宿に至る前の段階で気軽に立ち寄れる場を作れないか。そんなことを私は自分が代表を務める「つくろい東京ファンド」のスタッフと共に考えるようになった。

 そんな中、今年のゴールデンウィークから仙台で「大人食堂」という取り組みが始まったのを知った。

 「大人食堂」は、若者の労働問題に取り組むNPO法人POSSEの仙台支部と仙台けやきユニオンが中心となった取り組みである。18歳~65歳の労働者や失業者、その家族を対象に無料で食事を提供するとともに、弁護士や労働組合相談員による労働・生活・住居の無料相談会や、仕事や生活の悩みなどを気軽に話せる談話会も同時に開催している。

 2019年5月の初回開催から、すでに8回開催され、12月27日には第9回が予定されている。

 「大人食堂」というネーミングは、全国に広がる「こども食堂」を意識したものだろう。子どもが気軽に行くことのできる「こども食堂」の取り組みが今の日本社会に必要であったのと同様に、大人にも居場所と支援は必要である。

東京でも「年越し大人食堂」を開催

 そこで、仙台の取り組みに見習って、東京でも年末年始に「年越し大人食堂」を開催することにした。

 今冬の年末年始は9連休になる予定である。安定した住まいを失っていなくても、「無事に年を越せるのか」と不安に思っている人は少なくないだろう。「年越し大人食堂」は、そうした大人たちに開かれた場にしていきたい。

 「年越し大人食堂」は、NPO法人POSSEと「つくろい東京ファンド」が中心になり準備を進めている。食材はパルシステム連合会、調理は料理研究家の枝元なほみさんが、それぞれ全面的に支援してくれることになっている。

 宿泊の支援が必要な人には、今春に設立した「東京アンブレラ基金」から1人あたり1泊3000円の宿泊費を支援する。同基金による緊急宿泊支援は通常4泊までだが、この年末年始に限り、9泊まで延長を可能にする。

 「年越し大人食堂」だけでなく、年末年始の期間も孤立する人々を支援する民間団体は少なくない。「東京アンブレラ基金」では、「誰も置き去りにしない年末年始を!」を合言葉に各団体の活動をバックアップする寄付キャンペーンを始めている。

 ぜひ多くの方々のご支援をお願いしたい。

誰も置き去りにしない年末年始を!アンブレラ基金年越しプロジェクト2020にご協力を!|東京アンブレラ基金

※「年越し大人食堂」等、東京都内の各団体の年末年始(2019年12月28日〜2020年1月5日)相談支援スケジュール

■「年越し大人食堂」(つくろい東京ファンド・POSSE)

開催日①:12月31日(火)12時半〜19時半・会場[東京都新宿区四谷4-29-12 御苑ビルB1 THE SPACE]
開催日②:1月4日(土) 12時〜20時頃・会場[東京都新宿区大久保2丁目2-6 パルシステム連合会ビル 2F 多目的ルーム]
できること:働きながらも社会的に孤立していたり困窮状態にある方々へ、無料の食堂開催と無料の労働・生活相談

■NPO法人POSSE
実施日程:12月28日(土)〜1月5日(日)
電話受付時間:13時〜17時
電話番号:03-6699-9359
できること:労働・生活相談

■一般社団法人Colabo
できること:十代の女の子を対象としたバスカフェ&緊急相談
実施日程①:12月25日(水) 18:00~22:00 [新宿]東京都新宿区歌舞伎町1丁目4 新宿区役所 本庁舎
実施日程②:1月2日(木)11:00~17:00頃 [渋谷]東京都渋谷区神宮前6丁目21 神宮前6丁目22−8 渋谷神宮通公園
※中止・変更の可能性があります。最新情報はTwitterを確認ください。

■NPO法人TENOHASI

開催日:12月30日(月) 1月1日(水) 1月3日(金) 1月5日(日)
時間:医療・生活福祉相談 17:00~18:30 配食 18:00~
場所:東池袋中央公園

■NPO法人 豊島子どもWAKUWAKUネットワーク
実施日程:12月28日(土)〜1月5日(日)
電話受付時間:11時〜18時
電話番号:090-3519-3745
できること:豊島区近辺の子どもや親についての相談対応や、緊急宿泊支援

■NPO法人 ピッコラーレ
実施日程:年中無休
電話受付時間:16:00~24:00(受付は23:00まで)
電話番号:03-4285-9870
 メール(フォーム)での相談:24時間受付
できること:妊娠葛藤相談。にんしんにまつわる全ての「困った」「どうしよう」への対応。

■府中緊急派遣村
実施日程:12月28日(土)〜1月5日(日)
電話受付時間:11時〜18時
電話番号:090−3085−7557(松野)
メール:t.matsu.194927@gmail.com
できること:府中市近郊で、生活や食べるものに困った方への緊急ご相談と対応。

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筆者

稲葉剛

稲葉剛(いなば・つよし) 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授

一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 1969年広島県生まれ。1994年より路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し、2014年まで理事長を務める。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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