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[37]年越し大人食堂に見る2020年の貧困

ワーキングプア型の貧困への対応策は?

稲葉剛 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授

来場者の半数が安定した住まいがない状態

 「年越し大人食堂」では、来場者全員に簡単なアンケートを実施した。そのアンケート結果をもとに、どのような人たちが来ていたのか、見てみたい。

 12月31日に来場してアンケートに回答した38人。これに、1月4日に来場してアンケートに答えた人(64人)のうち、「初参加」と回答した40人を加えると、2日間の来場者の実数は少なくとも78人いたことになる(4日に「初参加」か「2回目」か、回答しなかった人が5人いる)。

 この78人の内訳は以下の通りである。

 性別は、男性は61人(78.2%)、女性は17人(21.8%)であった。

 年齢は、20代5人(6.4%)、30代15人(19.2%)、40代18人(23.1%)、50代22人(28.2%)、60代17人(21.8%)、70代1人(1.3%)と多様であった。

 路上生活者支援の炊き出しに集まる人は、ほとんど全員が男性なので、それに比べると、女性の割合は多いと言える。また、年齢層も幅広いと言えよう。

 「年越し大人食堂」の情報を得たルートとしては、「ネット・SNS」が最も多く37人(47.4%)、次いで「新聞」が20人(25.6%)と続いた。前者は幅広い世代にわたっており、後者は50代以上が多かった。会場で見たところ、スマートフォンを持っている人も少なくなかったようである。生活困窮者支援の団体や家族・知人から情報を得たという人も11人ずつ(14.1%)いた。

 住まいの状況に関する質問にはさまざまな回答があったが、ネットカフェや路上、カプセルホテル、簡易宿泊所など、安定した住まいがない状態にあると見られる人が39人(50.0%)いた。民間の賃貸住宅に住んでいると答えた人は27人(34.6%)だった。

 月収についての質問には44人が回答した。その内訳は、0~5万円が15人(34.1%)、5~10万円が7人(15.9%)、10~15万円が11人(25.0%)、15~20万円が6人(13.6%)で、20万円以上は5人(11.4%)しかいなかった。

 仕事については、失業中という人が約半数を占めた。

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筆者

稲葉剛

稲葉剛(いなば・つよし) 立教大学大学院21世紀社会デザイン研究科客員教授

一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事。住まいの貧困に取り組むネットワーク世話人。生活保護問題対策全国会議幹事。 1969年広島県生まれ。1994年より路上生活者の支援活動に関わる。2001年、自立生活サポートセンター・もやいを設立。幅広い生活困窮者への相談・支援活動を展開し、2014年まで理事長を務める。2014年、つくろい東京ファンドを設立し、空き家を活用した低所得者への住宅支援事業に取り組む。著書に『貧困の現場から社会を変える』(堀之内出版)、『鵺の鳴く夜を正しく恐れるために』(エディマン/新宿書房)、『生活保護から考える』(岩波新書)等。

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