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新しい年のラグビー、W杯後に感じた可能性

浦和高校の洗練にしびれ、大学は早明決勝に目を見張る

西山良太郎 朝日新聞論説委員

小柄でもモール攻撃、可能性広げる発想の転換

ラグビー拡大全国高校大会の3回戦で桐蔭を相手に浦和(紺ジャージー)がみせたモール攻撃。約40メートルを押し切った=2020年1月1日、花園ラグビー場

 浦和は3回戦で神奈川の桐蔭学園に敗れた。優勝したチームに5―78は不名誉ではない。総合力では、勝敗をひっくり返すことは難しかったろうが、奪った5点には得点以上のインパクトがあった。

 後半10分すぎ、ラインアウトからモールをつくり、小柄な選手たちが幾重にも連なり、シード校の強力フォワードを揺さぶりながら押し切った。40メートルほどは進んだろうか。

 モール攻撃はかつて強者のプレーだった。巨漢選手たちが体格差にものをいわせて押し込んでいく。シンプルだが、問答無用の武器だった。

 しかし、考えてみれば小兵でもあっても、押す方向や、集団の組み方を突き詰めていけば、それは有効な武器になりうる。

 こうした発想の転換は、この大会の別の試合でもみることができた。

 スクラムやラインアウトといったプレーを再開する場面で、いつもはボールを配球する役割の小柄なスクラムハーフ(9番)が、スクラムやラインアウトの列に並び、逆に大柄なフォワードの選手が配球役のポジションにつく。相手の混乱を誘うだけでなく、さらにいつもとは違った新しい攻撃パターンを生んでいた。

 ラグビーには15のポジションがあり、それを入れ替えるだけでも選択肢は広がる。自由な発想がもたらす可能性を、そこにも感じることができた。

ラグビー拡大全国高校大会の決勝、桐蔭学園(神奈川)―御所実(奈良)戦は高度なプレーの応酬となった=2020年1月7日、花園ラグビー場

ラグビー拡大全国高校大会を制した桐蔭学園は伊藤主将を胴上げ=2020年1月7日、花園ラグビー場

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筆者

西山良太郎

西山良太郎(にしやま・りょうたろう) 朝日新聞論説委員

1984年朝日新聞社入社。西部(福岡)、大阪、東京の各本社でスポーツを担当。大相撲やプロ野球、ラグビーなどのほか、夏冬の五輪を取材してきた。現在はスポーツの社説を中心に執筆。高校では野球部、大学時代はラグビー部員。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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