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新型肺炎で「隠ぺい」中国を批判できない「様子見」日本(上)

事態を過小評価して初動が遅れたのは中国も日本も同じ。長期戦の覚悟が必要に

浦上早苗 経済ジャーナリスト、法政大学MBA実務家講師、英語・中国語翻訳者

「情報封鎖」から方針転換した武漢市

 中国は政府発表そのものに疑義がある。そんなことは海外の人々だけなく、中国国民もよく知っている。だからこそ、その裏に何があるかを探す。それゆえ、大国としての「メンツ」に自覚的になった中国は、問題が国内で収束しないと判断したら、おそらく方針を転換すると私は考えていたが、事実、その通りになった。

 たしかに、武漢市では1月11日に新型肺炎感染者が41人確認されたと発表して以降、毎日「新規患者はゼロ」と発表を続け、収束モードが漂っていた。だが、中国では武漢だけだった感染者が1月12日と17日にタイで、16日には日本で確認されると、中国のSNSでは「新型コロナウイルスは、国外で感染を広げる愛国ウイルスなんだなあ」という「愛国ウイルス説」が拡散し始めた。

 そこに込められていたのは、「海外だけで見つかるのは、中国の検査に問題があるのではないか」「中国政府は何かを隠しているのではないか」という批判である。こうして、海外での感染者が契機となり、武漢市は「情報封鎖」からの方針転換を迫れることになった。

中国は“戦時”モードに

 1月23日、武漢の交通機関が止められ、都市は事実上封鎖された。その日を境に中国は“戦時”モードに入った。

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筆者

浦上早苗

浦上早苗(うらがみ・さなえ) 経済ジャーナリスト、法政大学MBA実務家講師、英語・中国語翻訳者

早稲田大学政治経済学部卒。西日本新聞社を経て、中国・大連に国費博士留学(経営学)および少数民族向けの大学で講師の職に就き6年滞在。新聞社退職した時点でメディアとは縁が切れたつもりで、2016年の帰国後は東京五輪ボランティア目指し、通訳案内士と日本語教師の資格取得をしましたが、色々あって再びメディアの世界にてゆらゆらと漂っています。市原悦子演じる家政婦のように、他人以上身内未満の位置から事象を眺めるのが趣味。未婚の母歴13年、42歳にして子連れ初婚。最新刊「新型コロナ VS 中国14億人」(小学館新書)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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