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ネット時代における書店の死と再生――代官山の蔦屋書店を訪ねて

武田徹 評論家

開高健記念文庫の地元書店も消えた

 実は約1年前にも井荻駅で降りたことがあり、その時、取材相手の指定した約束の時間まで駅前の書店に入って本の表紙や背を眺めていた。郊外の駅前にある書店はどこもそうだが、決して大きな店構えではなかったし、最近の書店によくあるように文具の売り上げで経営を支えているようではあったが、それでも人文書などもある程度置いており、店主のこだわりを感じた。

 開高の蔵書の一端を見た後に、改めてその書店をのぞいてみようとしたのは、品揃えに文士の住んだ地元の書店ならではの気配りがないか、探してみたいと思ったからだ。

 ところが、あったはずの場所に店が見当たらない。

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筆者

武田徹

武田徹(たけだ・とおる) 評論家

評論家。1958年生まれ。国際基督教大大学院比較文化専攻博士課程修了。ジャーナリストとして活動し、東大先端科学技術研究センター特任教授、恵泉女学園大人文学部教授を経て、17年4月から専修大文学部ジャーナリズム学科教授。専門はメディア社会論、共同体論、産業社会論。著書に『偽満州国論』、『流行人類学クロニクル』(サントリー学芸賞)、『「核」論――鉄腕アトムと原発事故のあいだ』『戦争報道』、『NHK問題』など。

 

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