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映画「宮本から君へ」の裁判を目前に「様子見」のメディアの皆様へ

助成金不交付決定処分の取消を求める訴訟が始まる。表現の自由について今一度考えたい

河村光庸 映画プロデューサー

 私のプロデュース作品である映画『宮本から君へ』の助成金不交付決定処分の取消を求める訴訟が、来たる2月25日に東京地方裁判所で始まります。

 映画における表現の自由<憲法21条>を問う行政訴訟としては日本では初めてのケースであるが故に、初公判に向け世論の大きな盛り上がりを期待せざるを得ません。

 ご承知のように昨年の秋以降、本件だけでなく芸術・文化に関わる全ての表現者にとって極めて重要な出来事が相次ぎ、多くの議論を呼びました。

 しかしながら、年を越した途端に一部のメディアを除いて、あたかも口裏を合わせたかのようにこれらの話題が終息していく印象を持ったのは私だけでしょうか。

 国及びその外郭行政法人を相手に本件は憲法21条<表現の自由の保障>だけではなく、憲法25条<すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する>を問う、映画においては日本で初めての画期的行政訴訟と言えるでしょう。

拡大©2019「宮本から君へ」製作委員会


筆者

河村光庸

河村光庸(かわむら・みつのぶ) 映画プロデューサー

1949年生まれ。94年に青山出版社、98年にアーティストハウスを設立し数々のヒット書籍を手掛ける一方、映画出資にも参画し始め、映画配給会社アーティストフィルムを設立。08年にスターサンズを設立し、『牛の鈴音』、『息もできない』(08)などを配給。エグゼクティヴ・プロデューサーを務めた『かぞくのくに』(11)では藤本賞特別賞を受賞。ほか企画・製作作品に『あゝ、荒野』(16)、『愛しのアイリーン』(18)など。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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