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高知発祥の「よさこい」はなぜ、全国に広がったのか?

「YOSAKOIソーラン祭り」を契機に四国限定の踊りが全国版になった平成の30年

川竹大輔 高知大学地域連携課専門員(地域人材育成担当)兼理事特別補佐

拡大高知で行われた2019年の第66回よさこい祭りでよさこい大賞に選ばれた「とらっくよさこい(ちふれ)」=2019年8月12日、高知市追手筋2丁目、菅沢百恵撮影

 平成の30年間に日本で普及した代表的なものとして、携帯電話やインターネットが挙げられるが、鳴子と呼ばれる打楽器を鳴らして踊る「よさこい」形式の踊り・イベントもまた、この間に全国各地に広がったものと言っていいだろう。

 昭和の時代には、四国でしか、踊ったり、見たりすることができなかった高知発祥のよさこいが、北海道・札幌で平成4年(1992年)に「YOSAKOIソーラン祭り」がはじまって以来、全国のあちこちで見物できるようになった。たとえば小学校の運動会の団体種目も“目玉”として、多くの児童がどこでも演じられるようになった。

45都道府県に広がった「よさこい系」イベント

 高知よさこい情報交流館の調査によると、平成31年(2019年)3月時点で、全国47都道府県のうち45都道府県、200カ所以上で、鳴子を持って踊る「よさこい系」のイベントが行われているという。“空白県”は、いずれも郷土に根ざした踊りであるエイサーのある沖縄県と、阿波踊りが盛んな徳島県だけだ。

 日本だけではない。高知県の調べでは、世界でも29カ国・地域でよさこいが踊られている。交流する祭り、参加型の祭りとして、よさこいはまさしく国内最大の規模に成長、世界にも広がっている。

拡大『よさこいは、なぜ全国に広がったのか』(リーブル出版)
 著者はこのほど、鳴子の輪が地方から地方に伝わり、全国に鳴子が広がり、さらに海外に展開する姿を、『よさこいは、なぜ全国に広がったのか』(リーブル出版)にまとめた。本稿ではその内容を紹介するとともに、よさこいのこれからについて展望してみたい。

 『よさこいは、なぜ全国に広がったのか』は、高知市出身で東京大学の学生だった筆者が、大学4年生のときにYOSAKOIソーラン祭りの立ち上げに深く関わったのをきっかけに、全国へのよさこいの拡大を後押ししながら、その経緯を観察してきたものをベースに、さまざまな先行研究や新聞記事・ネット情報を調べ、関係者らにインタビューしたものをくわえて書き上げた。

 まず、
「YOSAKOIソーラン祭りの成立までに、高知のよさこい祭りがどう始まって進化していたのか」
「YOSAKOIソーラン祭りは、どのように誕生して成長を遂げていたのか」
「よさこい形式のイベントは、全国にどう広がっていったのか」
「全国に広がることで、高知のよさこい祭りはどのように変容をしたのか」
を、1990年代から2005年前後までの動きを追って紹介。

 さらに、2010年代に入ってYOSAKOIソーラン祭りの規模拡大に東日本大震災の影響もあってブレーキがかかりつつ、各地のよさこいイベントも参加団体数の増加としては停滞気味になりながら、それでもよさこい発祥の高知では参加チーム数が伸びているようすを伝え、国内最大の交流する祭りとして災害の復興支援や地方への移住に対するよさこいの貢献、大学生や海外チームの増加、中学高校生への広がりといった教育面での今後に向けた動きが目立つ2010年代の動きを述べている。

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筆者

川竹大輔

川竹大輔(かわたけ・だいすけ) 高知大学地域連携課専門員(地域人材育成担当)兼理事特別補佐

昭和44年(1969年)生まれ、高知市育ち。東京大学教養学部(文化人類学)卒業。朝日新聞記者、三重県津市議会議員を経て、平成12年(2000年)から橋本大二郎高知県知事の特別職秘書、安芸市助役、NPO役員などを務める。令和2年(2020年)から高知大学地域連携課専門員(地域人材育成担当)兼理事特別補佐。著書に『唐人踊り読本』『2116票の重み 唐人市議の4年間』『いなか地デジ化ものがたり』『改革派知事の時代?地方から日本は変わったのか?』