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新型コロナウイルス対策 ひとり親支援の現場から

一斉休校で収入源が半数。休業補償や給付金が必要だ

赤石千衣子 NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長

 新型コロナウイルス感染がアジアだけでなく米欧に拡大し、世界保健機関(WHO)は、3月11日パンデミック(世界的な大流行)という言葉を使って警告を発した。これを受けてさらに不安が社会に広がっている。

 その中でひとり親世帯、子育て世帯全体への影響が懸念される。わたしは主にひとり親世帯を支援する立場から対応策について伝えたい。

衝撃の一斉休校要請

拡大休校中に児童を預かる学校では、対面にならないように背を向け合って勉強=2020年3月2日、新潟市立桜が丘小学校

 2月27日、安倍首相は3月2日からの全国一斉休校の要請を突然行った。この日、NPO法人「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」の事務所はマスコミの電話が鳴り響いた。一斉休校で子どもを置いていけないひとり親の状況についてなにか話してくれ、というわけである。

 わたしは各社に「感染予防の観点からはわからなくもないが、親が就労できなくなることも考え、所得保障が必要だ」と言い続けた。そのときの思いとしては、所得保障の担保なくこうした大きな方針を出すことへの違和感があり、対策を早く打ち込みたいと思っていた。その後、学童保育と保育園は実施するという方針が示されて動揺が少し緩和された。

 このときに感じたのはあくまで推測ではあるが、政府は一斉休校を打ち出したときには、働けなくなる人がいる、ということをリアルに考えていなかったのではないか、あるいは小学校低学年の子どもがひとりで留守番をするのは難しい、ということがリアルに分かっていなかったのではないか、ということであった。

 日本社会が専業主婦世帯が多数を占めていた時代とは明らかに異なった社会になっていることが、一瞬忘れられていたのかもしれない。

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筆者

赤石千衣子

赤石千衣子(あかいし・ちえこ) NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長

1955年東京生まれ。非婚のシングルマザーになり、シングルマザーの当事者団体の活動に参加。その後婚外子差別の廃止や夫婦別姓選択制などを求める民法改正の活動、反貧困ネットワークにかかわる。反貧困ネットワーク副代表、社会的包摂サポートセンター運営委員。『ふぇみん婦人民主新聞』元編集長。著書に『ひとり親家庭』(岩波新書)など。