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新型コロナ拡大でついに「無観客バレエ」上演

世界との往来が頻繁な芸術 他国と比べて日本の政策は?

菘あつこ フリージャーナリスト

 新型コロナウイルス感染拡大で国内のバレエ公演が次々と中止・延期されるなか、日本のバレエ界にどれほどの影響が出ているかを書いてみようと思っていた矢先の先週、バレエ発祥の地・ヨーロッパに感染の中心が移ったというニュースが入ってきた。

 今、ヨーロッパの劇場のほとんどがクローズされ、少なくとも大人数が集まるバレエ公演はできない状態。また、日本からの留学生も学ぶバレエ学校もほとんどが休校になってしまったようだ。日本のこと海外のこと、何から書いたら良いのか迷いながら、まず、日本で、私の周囲で起こっていることから順に書いて行きたいと思う。

「自粛要請」以前から相次いだ公演中止や変更の決定

拡大Shutterstock.com

  事態が大きく変わったのは、2月26日の安倍首相、政府によるイベント等の中止、延期、縮小の要請からであるのは、他の芸術やスポーツと同様だ。ただ、バレエの場合は、その前から、コロナを理由に、ヨーロッパ等の海外から振付者や指導者、ダンサー等が来日出来ないという問題は起きていた。

 2月の段階では、アジアで広がっているウイルスという見方が多くの国でされており、「日本に数日でも行けば、元の国に戻って入国出来ない。または数週間の待機を要求されて元の仕事にすぐには戻れない」、また、単純に「感染が不安」ということで、来日を見送るケースが多数出ていた。

 そういったことから、2月29日、3月1日に東京Bunkamuraオーチャードホールで予定されていた世界の名門バレエ学校が集っての「オーチャード・バレエ・ガラ」などの公演が中止。夏の舞台に向けての記者会見なども中止になった。

 一方、2月27日~3月8日に東京文化会館で行われたパリ・オペラ座バレエ団の公演は予定通り行われた。これは、2月26日時点ですでにパリ・オペラ座が日本入りしていたということもあるようだが、この公演を主催したNBS(公益財団法人日本舞台芸術振興会)が主催する3月21日、22日の東京バレエ団「ラ・シルフィード」も通常通り上演の方向で動いていると聞いている。

 新国立劇場バレエ団は「マノン」上演中で、2月26日の公演までは行ったが、28日以降3月15日までの公演は中止ということで、「マノン」の後半の日程と、3月7日、8日のバレエ研修所修了公演「エトワールへの道程2020」が中止になった。また、3月14 日、15日に、文京シビックホールで予定されていた牧阿佐美バレエ団「ノートルダム・ド・パリ」も中止になった。

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筆者

菘あつこ

菘あつこ(すずな・あつこ) フリージャーナリスト

立命館大学産業社会学部卒業。朝日新聞(大阪本社版)、神戸新聞、バレエ専門誌「SWAN MAGAZINE」などに舞踊評やバレエ・ダンス関連記事を中心に執筆、雑誌に社会・文化に関する記事を掲載。文化庁の各事業(芸術祭・アートマネジメント重点支援事業・国際芸術交流支援事業など)、兵庫県芸術奨励賞、芦屋市文化振興審議会等行政の各委員や講師も歴任。著書に『ココロとカラダに効くバレエ』。

 

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