2020年03月28日
まず、お伝えしたいことは、「あぶり出した」ということには当たらないと思いますが、子どもあっての学校であることです。
当たり前のことですが、その当たり前ではなくなったのが今回の突然の臨時休校でした。多くの子ども達にとっては、学校に行って、先生や友達と授業して、一緒に遊んだり活動したりして、一日を学校で過ごすのが当たり前でした。その当たり前もストップして、当たり前ではない自宅で一人で学習し、極力外出もせずに我慢を強いられました。
子ども達の我慢も限界にきた19日、休校の要請は延長しないという発表がありました。自治体によって、判断は違うと思いますが、学校に子ども達が帰ってきて、学校の当たり前の日常が戻ります。
「休校期間中、子どもが来なくて授業がないから先生たちは暇でしょう」「子どもは休みだけど、先生たちはどうしているんですか」という話がありました。十分考えられる反応でしたので、冷静に対応してきました。
休校当初は、時間に関係なく次々と送られてくる文部科学省や教育委員会のメールに対応し、保護者への連絡を繰り返し行いました。また、年度末評価や通知表・指導要録の作成、新年度の学級編制作業、学年末の引継ぎ等の年度末業務、卒業式の準備や計画の見直しと修正、家庭での健康状況の確認のための家庭訪問、プリントの作成、特別な配慮が必要な子供や家庭への支援、低学年・特別支援級の希望者の緊急受け入れ等、予測困難な状況での対応に追われていました。
この休校期間中に、教員は家庭訪問しました。家庭訪問することについても賛否両論ありましたが、家庭訪問では、「先生!つまんな〜い!」とモニター越しに呟く子どもや、毎日夜遅くまでゲームやってしまって今日も今起きた!という子もいたそうです。きっと、ゲームの腕は上がったのだと思います。
一人っ子など、ずっと一人でお留守番することでストレスが溜まっていると言っていたそうです。先生の声を聞いて、久しぶりに家族以外と話したとか、外に出てみようと思うようになったという子もいたそうです。兄弟がいる子は、喧嘩が増えたとも。
ある先生は、「私が子どもだったら、ネットの学習ももって3日かな…。楽しさがないと続かない。学校の楽しさはたとえトラブルがあっても、友達や先生との関わりにあると思います」と話してくれました。そして、久しぶりに子どもの声を聞いて元気になりましたと言っていました。やっぱり、先生は子どもが好きなのです。
以前、海外研修で学校訪問を行ったとき、歓迎はされましたが、来る日も来る日も教員との交流や学校説明ばかりで一緒に行った先生たちが元気がなくなっていきました。ところが、ある学校で子ども達との交流の時間を設けてくれました。教員たちは水を得た魚のように生き生きと手ぶり身振り、片言の現地の言葉で楽しそうに交流していました。
その時にも思ったのですが、先生と言うのは子どもがいないと元気がなくなっていき、子どもと関わっていると元気になっていくのです。今回も全く同じことが分かりました。
また、19日に本校では卒業式を行いました。令和初の卒業式は、ぶっつけ本番。今までに経験したことのない雰囲気。子供たちには申し訳ない気持ちでしたが、緊張感の中、粛々と立派に行動する子どもと先生たちを見て、やっぱり学校は
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