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コロナ「緊急事態宣言」で、少女たちに起きていること(上)

深刻化する虐待、少女を狙う大人たち

仁藤夢乃 一般社団法人Colabo代表・社会活動家

10代女性限定の無料カフェ「Tsubomi Café」の案内。改装したバスを拠点に、渋谷、新宿で定期的に開催している。筆者提供拡大10代女性限定の無料カフェ「Tsubomi Café」の案内。改装したバスを拠点に、渋谷、新宿で定期的に開催している。筆者提供
  新型コロナウィルスの影響が長期化する中で、普段から社会的に弱い立場に置かれている人たちがさらに苦しい状況を強いられている。

 私が代表を務めるColaboでは、10代女性を中心に、虐待や性暴力被害に遭うなどした少女たちを支える活動を行っている。

 中高生は、3月から学校が休校になり、4月からも通学再開の見通しが立たず、アルバイトも減らされるなどして収入は激減。外出自粛要請で、自分も親も家にいる時間が長くなったことなどから、親からの支配や、虐待のリスクが高まって相談が増えており、Colaboでは学校休校が始まった3月から4月13日までに200名を越える相談に対応している。

 緊急事態宣言が出された4月7日からの7日間の相談者は65名で、4月10日には東京都がネットカフェへの休業要請を行ったため、ネットカフェを追い出された人からの相談も急増している。

「家にいられない」「お金もない」

 虐待などを背景に、家で安心して過ごせない人にとって、自粛要請によって家にいる時間が長くなることは、暴力や性虐待を受けるリスク、危険が高まり、精神的な負担も増大することを意味する。

 また、10代であっても、アルバイト代で自身の生活費や学費を稼いで生活している人も少なくなく、そうした人たちも、コロナの影響でシフトを減らされるなどし、収入が激減している。

 家にいられない、帰れない、帰りたくない状況の中で、仕事もできず、その日食べるお金もない人たちは、ネットカフェなどに滞在することも難しくなる。

 そうした状況に、性搾取を目的とした業者や買春者などがつけこんでいる。「役所で紹介される仕事や宿泊先とは違い、デメリットはありません」「仕事や住まいを失った人、家族と距離を置きたい人を支援します」「食費や寮費も無料の求人を紹介できます」「行くところがないなら、うちにおいで」などといういい方で、SNSや街中で、女性たちを狙った声掛けも行われており、安全な居場所・住まいを確保し、安心して生活を送れるようにするための支援の必要性が増している。

 そこで、Colaboでは、4〜5月の2カ月間、緊急ステイ先を確保し、支援体制を広げることにした。ホテル経営をしている企業から支援の申し出があり、緊急事態宣言が出た4月7日からは、50ベッドにさらに受け入れ体制を広げ、20代の女性への宿泊支援や食費の緊急的な支援も積極的に行うことにした。しかし、マスクや消毒液、体温計の不足など、民間任せでは対応できない状況も生じている。

10代向けの無料カフェ「Tsubomi Café」の拠点になっているバス。Colaboのホームページから拡大10代向けの無料カフェ「Tsubomi Café」の拠点になっているバス。Colaboのホームページから

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筆者

仁藤夢乃

仁藤夢乃(にとうゆめの) 一般社団法人Colabo代表・社会活動家

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動にとりくむ。夜の街でのアウトリーチ、無料カフェの開催、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供などを行っている。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)など。 Twitter @colabo_yumeno  FB https://www.facebook.com/yumenyan

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