メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

news letter
RSS

無料

コロナ「緊急事態宣言」で、少女たちに起きていること(上)

深刻化する虐待、少女を狙う大人たち

仁藤夢乃 一般社団法人Colabo代表・社会活動家

暴力被害経験やトラウマのある人にとって

 今は、支配や暴力のある環境で生活した経験のある人や、トラウマを抱えて生きている人にとっては、特に苦しい状況である。

 現実に、感染者や死者が毎日世界中で増え続け、生活が制限され、仕事やお金がなくなるということが起き、先が見えない不安の中にいる。

 自分ではコントロールできない、目に見えないウィルスへの恐怖や、命や日常が奪われるかもしれないという不安は、虐待やDVなどの被害体験と重なり、トラウマの影響を受けることになりやすい。

 私たちが関わっている10代の女性たちの中にも、「コロナに感染して自分や多くの人が死ぬ」という夢を見たり、感染の恐怖からささいなことにも過敏になったり、少しの外出もできなくなってしまったり、パニックを起こしたり、「自分が安全なところにいる」と思えず、いつ暴力をふるわれるかわからない状況にいたときのような不安感に襲われたり、自分は無力だと感じてしまい、何もやる気になれなくなって日常生活を送ることが今まで以上に苦しくなったりしている人もいる。

中高生を中心とした少女たちによるサポートグループ「Tsubomi」の活動。同じように悩んできた人と出会うことで、自分の状況を整理し、向き合うきっかけとなる。Colaboのホームページから拡大中高生を中心とした少女たちによるサポートグループ「Tsubomi」の活動。同じように悩んできた人と出会うことで、自分の状況を整理し、向き合うきっかけとなる。Colaboのホームページから

 今は暴力のない環境にいても、仕事にも学校にも行けない中で、そうした不安が強まり、体調を崩している人も多いが、病院やカウンセリングにも行きにくい。

 こうした状況が続くなかで、暴力被害を受けた人は、自分を大切にできなくなっていくこともある。しかし、こんな時だからこそ、自分を大切にする時間、リフレッシュする時間を意識的にとることが大切だ。

 私自身も、虐待や性暴力被害のサバイバーであり、普段から、なかなかそれができないのだが、この記事を読んで「自分も疲れている」「不安が強くなっている」と思ったら、ぜひ、意識して気分転換や自分のケアになることを探して、やってみてほしい。

全ジャンルパックなら本の記事が読み放題。


筆者

仁藤夢乃

仁藤夢乃(にとうゆめの) 一般社団法人Colabo代表・社会活動家

1989年生まれ。中高時代に街をさまよう生活を送った経験から、10代女性を支える活動にとりくむ。夜の街でのアウトリーチ、無料カフェの開催、シェルターでの保護や宿泊支援、シェアハウスでの住まいの提供などを行っている。第30期東京都「青少年問題協議会」委員。厚生労働省「困難な問題を抱える女性への支援のあり方に関する検討会」構成員を務めた。著書に『難民高校生』(英治出版)、『女子高生の裏社会』(光文社新書)など。 Twitter @colabo_yumeno  FB https://www.facebook.com/yumenyan

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

仁藤夢乃の記事

もっと見る