田中駿介(たなかしゅんすけ) 東京大学大学院総合文化研究科 国際社会科学専攻
1997年、北海道旭川市生まれ。かつて「土人部落」と呼ばれた地で中学時代を過ごし、社会問題に目覚める。高校時代、政治について考える勉強合宿を企画。専攻は政治学。慶大「小泉信三賞」、中央公論論文賞・優秀賞を受賞。twitter: @tanakashunsuk
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
「大学の危機」をどう乗り越えるか、渦中からの訴え(下)
北海道の、ある短大に通う女子学生も悲痛な声を上げる。
彼女の場合は、実家暮らしだが、学費をアルバイトで賄っているという。アルバイトをしている飲食店は実質「開店休業」状態で、しかも親も仕事が減っている。そんななか、学校のガイダンスで通知されたのが、「アルバイトを自粛してください」という要請である。
このままでは、学費を払えなくなる。しかし、ゼミの先生に相談をしても十分に取り合ってはくれなかった。
「勉強をしたくなくて、アルバイトをしたいと言っているわけではない。苦しい状況を理解してくれない」と彼女は憤る。
政府は、減収世帯に30万円を給付する方針を打ち出し、のちに1人10万円の給付に転じた。
この「30万円給付」は、その対象が狭いという指摘があったが、本稿の主題とそれるので詳しくは立ち入らない。ところで、あまり報道では指摘されていないが、一人暮らしをしている学生が世帯主となっている場合、多くはこの条件を満たす可能性があった。
ただし、そこにも「落とし穴」がある。
論座ではこんな記事も人気です。もう読みましたか?